
ライダーカップで注目を浴びたトランプ米大統領(Photo by Darren Carroll/PGA of America)
警備強化のために最初のオープニングショットを見ることができないギャラリーが多くいたにもかかわらず、大統領を歓迎する「USA! USA!」の大合唱。試合に来る直前にも自身のSNSで、自分の敵とは妥協せずに徹底的に闘うとして、元のFBI長官に対して『訴訟も辞さない』とコメントして全米中の注目を集めた。
欧州チームが彼の言う『敵』であるかどうかはともかくとして、そんな雰囲気の中で全米プロゴルフ協会が雇った女性MCが観客をさらにあおった。確かにライダーカップでの応援は加熱するが、それにしてもヨーロッパ選手に対するブーイングには目に余るものがあった。
特にローリー・マキロイに対する「Fワード」や「アイルランドのゴミ」といったやじがバックスウィング中やルーティンの最中に合唱のように起こった。結果的に欧州チームが優勝したが試合後「ゴルフにおいては、許されるべきことではないと思う。より高いスタンダードで開催されるべきだ」と語るマキロイと欧州チームに対して、全米プロゴルフ協会が謝罪するという異例の事態となったのだ。
そういえばトランプ大統領は、このところカーレースのデイトナ500や全米オープンテニス、ニューヨーク・ヤンキースの試合を観戦。完全にスポーツで自分の人気と愛国心をあおっている。
来年にアメリカで行われるサッカーワールドカップでは、『敵』である民主党の強い地区での予選試合が「治安が不安だ」として、開催場所を再考するように求めているとか。
そのうちゴルフのメジャー大会も「治安が悪いから」という理由で、自分のゴルフコースで開催するように求めてくるのかもしれない。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号「バック9」より
トランプ大統領がライダーカップに来場【ホワイトハウス公式YouTube動画より】
President Donald J. Trump at the RYDER CUP
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