ロサンゼルスでゴルフ場のティータイム(スタート時間)を独占、転売していたブローカーが逮捕された起訴状によると、韓国人のMRI技師である双子のキム兄弟が副業として営んでいたティータイムブローカー業で得た収入110万ドル以上(1億6000万円超)をIRS(内国歳入庁)に故意に申告しなかったとして脱税などの罪で起訴された。

アメリカで起こった"ゴルフ事件"
事の発端は市民ゴルファーによる問題提起。ティーチングプロであるデーブ・フィンク氏がロサンゼルス地域のパブリックコースの予約が取れない問題が深刻なため「♯Free The Tee」という運動を立ち上げた。
同地区の闇ブローカー(キム兄弟)によってスタート時間は一瞬にして埋まり、彼らはグリーンフィーに加え、30から40ドル(約4400円から5800円)の予約料を上乗せし密かに転売していたのだが、フィンク氏が韓国のメッセージアプリ「カカオトーク」を通じてティータイムが転売されていることを発見。市当局が予約ごとに10ドルの保証金を義務付けるなど取り締まりを強化していた。
コロナ後にアメリカではゴルフ人気が高まりティータイム争奪戦が繰り広げられた。それに目を付けた兄弟は南カリフォルニアの少なくとも17のパブリックコースを含む全国の多数コースで何千ものティータイムを予約し転売。人気のあるロス近郊のゴルフ場早朝のスタート枠は公開から数秒以内に、独占していた。
彼らはティータイムの仲介業で22年から23年にかけて110万ドル以上を申告せず、脱税および偽造納税書類の作成、故意の納税怠慢などの罪で起訴され11月4日に初公判が予定されている。現在両被告とも無罪を主張しているが、有罪になった場合は禁錮3年から5年の刑が科される見込みだ。脱税した金で高級ブランド品を購入していた両被告。
これで市民の予約ストレスがなくなるはず。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年10月21日号「バック9」より