
横浜CCで質問に答えるアダム・スコット(撮影/有原裕晶)
昨年まで開催されていたZOZOチャンピオンシップにも2回出場しているアダム。新規大会となる「ベイカレントクラシック Presented by LEXUS」は横浜カントリークラブに舞台を移すが、2018年の日本オープンでこのコースを経験済み。「会場が変わったのも良いですね。素晴らしい状態に仕上がっているようです」と、新たな挑戦の場への期待感を隠さない。
スコットは9月中旬のDPワールドツアーの旗艦大会「BMW PGA選手権」に出場してから3週間ほど試合から離れているが、「かなり堅実」な状態にあると自己分析する。ただし、「今年のパッティングは期待外れでした。感触は悪くなかったのですが、パットが入らなかったんです。だから、パターを変えて新しいフレッシュなフィーリングを得て、いくつかパットが入るようになることを願っています」と話す。長尺パターの使い手だったアダム・スコットが35インチのパターに変更し、“フレッシュなフィーリング”が、日本での戦いを後押しすることになるのではないか。
日本人PGAツアー選手との絆と国際化への貢献
記者会見では、現在PGAツアーで活躍する松山英樹、金谷拓実、大西魁斗、久常涼の4人の日本人選手について質問が及んだ。スコットは彼らの存在を「PGAツアーにおける日本人選手のかなり強力な存在感」と高く評価し、その増加を歓迎。特に松山とはTGLでチームメイトであり、金谷とは彼がアマチュア時代に日本で一緒にプレーした経験があるなど、交流があることを示唆。
PGAツアーが「国際的な選手が望めばそこへたどり着くための道筋を作ることを非常に意識している」とし、日本人選手の活躍がツアー全体の国際化を促進しているという。
さらに、日本や母国・オーストラリアのナショナルオープン優勝者にマスターズ出場権が付与されるようになった、メジャー大会の新たな取り組みについても支持を表明。これは「国際的なゲームの重要性」をメジャー大会側が認識している証拠であり、ナショナルオープンの価値を高め、「見る人すべてにとってもさらなるプレッシャーと興奮をもたらす」と、国際ゴルフの未来にとって極めて重要だと強調している。
ベイカレントというPGAツアーの舞台は、スコット自身を奮い立たせると同時に、日本人選手が世界へ羽ばたくための道を照らしている。日本への深いリスペクトと、最高の舞台での勝利への渇望を胸に、紳士アダム・スコットは今週、横浜で熱い戦いを繰り広げる。