「こんなにいいプレーをしたのに……(苦笑)」とガッカリ

2日目、バーディパットに臨むマッカーティ(撮影/有原裕晶)
最終日、前半(10番~)4バーディで折り返したマッカーティは、後半(1番~)に入ると一気にアクセル全開で8連続バーディを奪って中継局やメディアを慌てさせた。
上位争いとは無縁の位置でのプレーだったため、テレビ局は「映像がない」。ネットや紙媒体は「写真がない」とザワつき、スタッフがバタバタと彼の組に押し寄せた。
最後もバーディならツアー記録タイの「58」。期待がかかった最終9番だったが、意識し過ぎたためかティーショットを左に引っかけバッドキックでOB。チップインを狙った4打目はピンそば2メートルで止まり悔しがった。
「本当にいい1日だったのに厳しい終わり方になってしまいました。まさか8連続バーディを取れるとは……。残り3ホールで2つバーディなら50台のチャンスだと思ったのに……」

9番最終ホールのグリーンでラインを読むマッカーティ
思惑通り7番、8番でバーディを奪い、9番がパーなら59、バーディなら58だった。
「すごくいいショットが打てて堅実なプレーができました。こんなにいいプレーをしたのに、こんな気持ちでコースを去るなんて変な気分です。でもまぁいい1日でしたよ(苦笑)」
地味な印象の27歳はゴルフを始めたたとき、父のプレーを見ながらクラブを振る練習をしたため、右利きだが、左打ちになった。父の姿を鏡にレフティになったフィル・ミケルソンと同じだ。
ブレイクしたのは昨年。コーンフェリーツアー(PGA下部ツアー)でシーズン3勝を挙げ、自動的にPGAツアーに昇格。その直後、昨年のフェデックス・フォール3戦目「ブラックデザート選手権」(2週間後に行われるバンク・オブ・ユタ選手権)でいきなりツアー初優勝を挙げた。

最終ホールを終えたマッカーティ(写真中央)
「60」がマッカーティのキャリアベストかと思ったらプロ転向した直後のワイオミング州オープン(ツアー競技ではない)で「59をマークしたことがある」とコメント。
「あのときは最終ホールのバーディで59だったので今回とは少し違います。今日の最後は優勝争いをしているときのような緊張感でした。ひとつだけ悪いスウィングをしてしまいましたけどね」
そして彼はこう付け足した。「前回59をマークしたのは大学を卒業した21年。今回はニアミスでしたけれど、50台は4年に一度しかチャンスがないのかもしれません(笑)」
▼マット・マッカーティ・2025シーズン成績
24試合に出場
トップ10/2回
トップ25/8回
RBCカナディアンオープン4位タイ
ウィンダム選手権8位タイ