試打の舞台は正確な方向性が求められる「久邇CC」

メーカー担当者がいる手前、「池には絶対入れまい…」と余計に力む我々ゴルフダイジェスト編集部
久邇カントリークラブは、広く雄大なフェアウェイを持ちながらも、随所に配されたハザードや高い木々にセパレートされた緊張感のあるコース。ただ飛ばすだけでなく、狙った場所へ“強い球”で運ぶことがスコアメイクの鍵を握る。この舞台で「NX ゴールド」が謳う「しなりとトルクの黄金比率」がどのような影響を及ぼすのか、実際にゴルフダイジェストの編集部3名が体感してきた。
まず手に取った印象は、その高級感のあるゴールドとブラックのコスメティック。そして、素振りで感じたのは、心地よい“粘り”と“ハリ感”のバランスだ。
キックポイントは「中調子」に位置づけられているが、一般的な中調子のイメージとは一線を画し、先、中、手元の剛性差を小さく抑えることで全体が一体となってしなる構造となっている。
週刊GD編集長のゴルフ人生が変わった⁉ ゴールドの驚くべき性能

左が怖くて右を向いて打っていた週刊GD編集長だが、ドライバーのみ真っすぐ向いて打つことが出来ていた。
このシャフトの最大のハイライトは、週刊GD編集長のドライバーショットで起こった。
持ち球は、もともと低いフック。調子が悪くなると左へ一直線に突き刺さる、言うならば「チーピン」が定位置だ。「今年3回くらいしかまともに当たっていない」というが、「NX ゴールド」を試打し始めて驚くべき変化が。
特筆すべきは、インパクト直前からフォローにかけての挙動だ。手元側の剛性を抑えつつも、フジクラ独自の「VARIABLE TORQUE CORE (VTC)」と新技術「DHX」により、シャフトの挙動のバラつきが徹底的に抑制されている。結果として、ヘッドが暴れずに目標方向へ“スパーン”とスムーズに加速。ヘッドが走るのに、球が左に巻き込む怖さがない。
「ダウンスウィングの切り返しで、手元に一瞬タメができる感覚がすごく分かりやすい!ヘッドがどこにあるか以前よりわかるようになって、振りやすいよこれ!」(編集長)
ボールは今まで見慣れていた低いフックではなく、中弾道のストレートボールに激変!しかも、球がしっかり上がっている。「本当にゴルフ人生が変わった!こんなに球が安定して上がるなんて…」と感動の声を上げるなか、さらに驚きの光景が。
数ホール後、ミスショットがなんと右への軽いスライスに。「ナイスミスですよ、やっと普通のゴルファーのミスが出ましたね」と編集Kがチクリ。左一辺倒だった編集長のミス方向が変わり、“シャフトで球筋が変わる”ことを身をもって知った瞬間だった。
幅広いゴルファーに基準となるクセの無い中調子

編集Kは60(S)、編集長は50(R)を使用
クセの無い中調子という言葉があるように、このシャフトはスピーダーシリーズの最初に試して欲しい極めて素直な挙動という印象で、編集部3人中3人がそれぞれ飛距離や方向性が安定した結果となった。また球筋はドロー系、フェード系がいたが、逆玉になるようなことは無く、サイドスピンが減って余分な曲がり幅が無くなった様な球筋に変わった。
「スピーダー NX ゴールド」は、ただ単にヘッドスピードを上げるだけのシャフトではなく、手元の適度な粘りでタイミングの取りやすさと、先端の安定感でミスに強い強弾道を実現してスコアメイクに貢献してくれるシャフトだった。
この“新・中調子”は、まさに左へのミス(チーピン)を恐れているゴルファーの救世主。そして、主流となりつつある高慣性モーメント仕様のヘッドの性能を最大限に引き出したいゴルファーにオススメした一本だ。ぜひ一度、この「しなりとトルクの黄金比率」が生む、進化した中調子の飛びを体感してほしい。