
自分に合ったアイアン、どう見つければいい?(写真はイメージ)
何を求めるかで選択肢が変わる
みんゴル取材班(以下、み):男子プロの下家秀琉はアイアンを「T100」の2019年モデルに戻した途端に「東海クラシック」でツアー初優勝しました。「富士通レディース」で3年振りに勝った木村彩子も「APEX」の2016年モデルをこだわって使い続けているそうです。アイアンも進化しているはずなのにプロがあえて旧モデルを使うのはなぜでしょう。
宮城:決して新しいモデルが悪いわけではありません。最近のアイアンは異素材を使うことで重心が下がりスピンが減っているので飛びます。アマチュアにとってはやさしくて打ちやすいアイアンになっています。ただ、プロにとってはスピンが減りすぎて飛びすぎたり止まらなかったりすることがあります。いくら高さが出るとはいえ、スピンや弾道が自分のイメージと合わないとねらいづらくなります。
み:下家選手は2019年モデルの顔とソール形状が気に入っていると話していました。
宮城:確かに昔の「T100」はいい顔をしていました。とはいえ、いまの「T100」のデザインが悪いわけではありません。工場の生産ラインのコントロールができていないとモノによって形状がまちまちになったりしますし、ライ・ロフトが合っていない場合もかまえにくく感じます。
み:プロのクラブでもそんなことがあるのですか?
宮城:ぼくも長年ツアーに行っていたのでわかりますが、プロのクラブでも完璧にスペックが合っているとは限りません。アメリカツアーに参戦している某女子プロがアメリカでクラブを作ったらライ角が合っていないせいで予選落ちしたという裏情報も出回っているくらいですから。下家選手の場合も2019年モデルのライ・ロフトが完璧に合っていてラインが出しやすいのを「顔やソールがいい」と言っている可能性があります。
み:ちょうどアイアンを買い替えようと思っていたのですが、この際、昔のアイアンも候補に入れてみようかなと思っています。
宮城:アイアンに何を求めるかで選択肢が変わってきます。初中級レベルで飛べばいい人はなるべく新しいモデルを使うべきだし、キャリーで乗せて1ピン以内で止まって欲しい人には昔のモデルのほうが合うかもしれません。昔の軟鉄鍛造アイアンはただ飛ばないだけでスピン性能や打感は抜群でした。
み:新旧問わず、アイアンを選ぶ際のポイントは先ほどから話に出ているライ・ロフトですか?
宮城:大事なのはクラブに合わせてかまえるのではなく、自分のかまえで持ったときにちゃんとすわるかどうかです。すわりのいいクラブならライ角は合っています。つるしのアイアンは工業製品なので、7番でかまえて合っていても他の番手が狂っていることもあるので注意してください。