
杉澤が注目するブラックデザートリゾートゴルフコースの17番グリーン(PHOTO/Getty Images)
今回の舞台となるブラックデザートリゾートゴルフコースは、1973年の全英オープン覇者であり、コース設計家としても名高いトム・ワイスコフが最後に手掛けたコースとして知られている。
「ブラックデザートリゾートゴルフコースは、あのトム・ワイスコフの最後の傑作と言われており、クオリティの高さがうかがえます。全米の数あるランキングトップ100を獲得するような名門コースであり、その美しい景観も魅力の一つです」(以下、杉澤)
ブラックデザートリゾートゴルフコースは、アメリカ南西部の荒々しいレッドロックと、雄大な山脈のパノラマビューという、他では味わえない美しい景観が特徴だ。
「砂漠の中にあるコースで、岩山が大きく見えるコースです。地形を活かしたフラットなコース設計も特徴的です」
杉澤さん、おすすめホールは1番・4番・13番・17番だ。
「今回のコースで、私のおすすめホールは4つあります。一つ目は、やや上り坂のパー4で約500ヤードの1番ホール。右側に大きなバンカーがあり、ホールの形状を右から左へと変えています。ショートアイアンで狙うグリーンは左に大きなバンカーが2つあり、グリーンの傾斜もきついので、正確なショットが求められます。
次は、ハンディキャップ1の難関ホールである4番ホール。下り坂のティーショットで、右側には溶岩が広がり、フェアウェイは広く、景色の良い峡谷を背景にグリーンが配置されています。ティーショットは岩に挟まれるようなプレッシャーを感じます。
そして、ティーショットのプレッシャーがすごい13番ホール。グリーンの形も複雑でありつつ2段グリーンのようになっています。ピンの面に運ぶにはかなりのスキルが必要です。左側に湖を配した高台からのティーショットが特徴で、溶岩に囲まれた小高い丘の頂上にグリーンが位置します。ペブルビーチの14番ホールを意識したホールになっています。
最後に、202ヤードのパー3で、小さなグリーンが3つのバンカーに囲まれている17番ホール。ここは正確なティーショットと優れたパッティングが報われるホールになっています。ここのグリーンの傾斜が全てバンカーの方向へ向かって傾斜しています」
今大会では、金谷拓実プロに大きな期待がかかる。

日本開催の「ベイカレント C レクサス」で4位タイに入り、ランキングを上げた金谷拓実(写真はベイカレント C レクサス最終日、撮影/岡沢裕行)
「金谷選手は、ベイカレントクラシックで4位タイに入り、ランキングを135位から113位へと大きく上げました。フルシード権が得られる100位の選手との差は、55ポイントです。次の試合で30位以内に入れば、100位以内に入れる可能性が高いので、自力でシード権を獲得するチャンスがあります。また来年レギュラーで戦うためには、上位に入っていくことが必須となってくるでしょう」

「ベイカレント C レクサス」では72位と調子はいま一つだった久常涼。前回大会25位タイで相性は悪くないコースで流れを掴みたい(写真はベイカレント C レクサス2日目、撮影/有原裕晶)
久常涼プロにも注目したい。
「久常選手は調子は悪くないので、あとは歯車が噛み合えば上位進出も十分に可能です。前回大会は25位タイでしたし、我慢は強いられるけれど久常選手の表情も明るいので、期待が高まります」
ネクスト10の選手、そして、100位ギリギリのラインにいる選手たちの戦いからも目が離せない。
「100位のマックス・ホーマ選手は、もっと上にいけるはずの実力を持つ選手なので、とても注目しています。ランキングの動きやすい選手たちの戦いをぜひ注目してください」
バンクオブユタ選手権。美しい景観の中で、どのようなドラマが生まれるのか、注目したい。
U-NEXT 木村真希