
「パッティングが決まらなかった」と話す長﨑大星
長﨑大星:若きエースの正直な告白「メンタルが足りなかった」

最終日、2位と5打差でスタートした長﨑大星。プレーオフで敗れ銀メダルに終わった。この悔しさを糧に、来年、再来年と松山英樹しか成し遂げてない大会連覇に挑む
3日目の爆発力で単独首位に立った長﨑だったが、最終日の戦いは厳しかった。
<長﨑大星のコメント>
「今日は絶対に守り切ってやるぞって思って前半からラウンドしてたんですけど、なかなか風だったりとか、自分の調子を持っていくことができずに、一番はパッティングが入らなくて本当に悔しいです」と、スコアメイクに苦しんだ一日を振り返った。
長﨑はプレーオフに敗れた後、冷静に敗因を分析した。
「自分の最善を尽くせたと思いますし、これからもっと来年、再来年と優勝できるように努力したいです。(中略)マスターズや全英っていう舞台が目にうつってしまうと、やっぱり緊張してしまったり、まだまだメンタル的な部分も足りないと思うので、もっと練習や優勝争いを重ねてまた来年この舞台で優勝できるように頑張りたいです」
メジャーの切符という「舞台」が、知らず知らずのうちにプレッシャーとなり、実力を発揮しきれなかったことを正直に告白。高校1年生ながら、頂点に最も近づいた経験は、彼の今後のキャリアにおける大きな課題と目標となった。
中野麟太朗:2年連続3位と「世界一」への決意

大会中、キャディアクシデントがあるなど話題が多かった中野麟太朗。次の目標はプロでの世界一だ
5打差を追う立場からスタートした中野麟太朗は、最終日も「71」とスコアを伸ばしきれず、昨年と同じ3位で大会を終えた。
<中野麟太朗のコメント>
「優勝と上位っていうのは何か違うものがあると思うんですが、その苦しさを耐え抜いて優勝したかったです。(中略)今回も一打差くらいに迫ったり、追い抜けるチャンスもあったなか、まだまだだなという感じでした」と、リベンジを果たせなかった悔しさをにじませた。
しかし、このアジアアマがアマチュアとして最後の大きな舞台になる可能性が高いなか、「始まる前からこの一週間は思いっきり楽しんで終わりたいと言っていたので、最後の一打まで笑顔でプレーできたかなと思います」と、自身の目標は達成した。
その視線は、すでに次のステージに向いている。
「プロにもしこのままなったらまたイチからのスタートになると思うので、こういった海外でトップレベルの人たちとプレーする機会は少なくなると思うんですが、プロでこのような舞台で戦えるように一念発起してやり直します。世界一を必死で目指していきます」と、力強く次のステージでの活躍を誓った。
優勝者ラオパクディーの強心臓

タイ人初のアジアアマチャンプとなったフィファ・ラオパクディー
見事タイ人初のアジアアマチャンピオンとなったフィファ・ラオパクディーは、最終日を6打差から逆転。プレーオフでも冷静さを保ち、栄冠を掴んだ。
<フィファ・ラオパクディーのコメント>
「信じられないです。キャディやコーチには、『この大会で優勝して、マスターズに出場する初めてのタイ人アマチュアになる』って言っていたんです。コーチ、やりました!」と、有言実行での優勝を喜んだ。
彼はプレーオフ中も「I was still laughing and singing songs with my caddie(キャディと笑って歌っていた)」と語るほどの強心臓ぶり。このメンタルの差が、最終日の勝負を分けた。
長﨑、中野の二人が残した悔しさは、日本ゴルフ界の若き才能を次のステージへ押し上げる大きな原動力となるだろう。
写真/大会提供
