
8試合で1093万5714円を稼ぎ、賞金ランク56位にいる福住修(撮影/岡沢裕行)
覚醒の瞬間はシード選手との同組ラウンド
福住のゴルフへの取り組み方を劇的に変えたのは、「フォーティネット プレーヤーズ カップ」での経験だ。選手会主催の同大会で、彼は木下稜介、杉山知靖、堀川未来夢といったシード選手たちと同組で回る機会を得た。
「そこで自分のゴルフとは違うレベルのゴルフを見て、特に一打に対する思いが全然違うことに気づきました。優勝する選手は本当に一打を大切にしている」
福住は、その違いが細部にまで及んでいることを具体的に説明する。
「例えば池に入った後のドロップなどでも、細かいところまで気にしています。僕は普通に適当にドロップしてしまうところを、彼らはちゃんとライを正確に見て、そこにちゃんとドロップするという、それも一つのプロの技だと感じました」
アマチュア時代からの才能に加え、この「一打の重み」を学び、自分のプレースタイルに取り入れたことが、直近2試合の好成績に直結したと分析する。
シード権へのリアルとセッティングの進化
下位に沈んでいた賞金ランキングは一気にシード圏内に躍り出た福住だが、目標は明確だ。
現在約1090万円を獲得している彼の目標は、「1200万円くらいまで行けば、シードはなんとか取れるのではないか」という現実的なラインだ。すでにACNツアー上位の資格で来シーズン前半の最低目標はクリアしており、現在は「この一週間をどれだけ大切に過ごせるかが大事」と、最終戦に向けての心構えを語る。
「レギュラーの試合で自分はレベルアップしているというイメージはあります」と語る彼は、プレーへの意識を変える一方で、クラブセッティングにもプロとしての変化を加えている。
「2番アイアンを抜いてユーティリティを入れました。ユーティリティはティーショットにも使えますし、グリーンも直接狙えるスピン量もあるので、アマチュアの時よりもプロのセッティングに近づいていると思います」
「私は一年目ですし、皆さん上の選手なので、そういったところから一つでも多く自分のものにできるようにと思ってラウンドしています」――貪欲に、謙虚に、そしてプロの技術の細部にまでこだわるその姿勢こそが、福住修の快進撃を支える最大の原動力だ。
彼が目指すのは、「焦らずにゴルフをし、チャンスが来た時に確実に掴む」こと。今週も前の2週間で得たものを忘れずに、その姿勢を貫き通す。



