本大会の舞台は、ポートロイヤルゴルフコース。

「バターフィールドバミューダ選手権」の16番右奥にグリーンが見える海越えコース(PHOTO/Getty Images)
「ポートロイヤルゴルフコースは、海岸線に沿って作られた美しいリゾートコースです。エメラルドグリーンの海と純白に染められた別荘群、青い空のコントラストは、息をのむほど美しいですね。映像で見ているだけでも楽しめる、気持ちの良いコースです。景色が良いので、見ている人もリゾート気分を味わいながら観戦できます」(以下、杉澤)
ポートロイヤルゴルフコースは、傾斜地に作られているため、見た目は平坦なフェアウェイでも、実際には傾斜していることが多い。
「海に向かって傾斜しているので、フェアウェイにボールを落とす場所を的確に判断し、固いフェアウェイを転がすことを計算する必要があります。飛距離ではなく、点で攻められる選手が上位に来るでしょう」
ポートロイヤルゴルフコースは、飛距離よりも正確性が求められるコースであり、ベテラン勢にチャンスがある大会として知られている。
「風が強いなかでの戦いになるので、ベテラン勢の上手なボールコントロール、グリーン周りの巧みな技が光るでしょう。飛距離が短い選手にもチャンスがある、数少ない大会です」
大会の行方を左右するのは、難関の上がり4ホール。
「15番ホール以降は、難易度の高いホールが続きます。特に、15番ホールは昨年のデータで最も難しいホールとなっております。そして16番ホールは海越えのパー3で、235ヤードと距離も長く、非常に緊張感のあるティーショットが求められます。18番ホールも4番目に難しいホールとなっており、最後まで気が抜けません」
本大会で注目すべきは、マイケル・ブレナンとパトリック・ロジャースの2選手だろう。

杉澤氏が注目するパトリック・ロジャース(写真はベイカレント C レクサス2日目。撮影/有原裕晶)
「マイケル・ブレナン選手は、ランキング99位ですが、10月のPGAツアー『ユタバンク選手権』で初優勝を飾っており、シード権は確定させています。優勝も記憶に新しいですし、注目です。パトリック・ロジャース選手は、優勝候補の1人ですね。昨年は9位、2022年は4位と、コースとの相性が良いです。直近3大会で2回のトップ10入りを果たしている点も、注目すべきポイントです」
今大会には、金谷拓実プロ、久常涼プロ、大西魁斗プロ、星野陸也プロの4名の日本人選手が出場する。

左から金谷拓実、久常涼、大西魁斗、星野陸也(撮影/有原裕晶、岩本芳弘)
「最も注目すべきは、金谷拓実選手でしょう。金谷選手は現在120位なので、100位以内を目指して、どこまでランキングを上げられるかが注目のポイントになります。125位までの準シードを確保できるかどうかも、来年どこで戦うかを左右する重要なポイントとなります」
「先日、浅地洋佑選手がアジアンツアーで見事優勝を飾りました。この快挙は、間違いなく他の日本人選手たちにとって、大きなモチベーションとなるはずです。その勢いを、ぜひPGAツアーでも見せてほしいですね」
バターフィールドバミューダ選手権。美しい景色の中で、どのようなドラマが生まれるのか、注目したい。
U-NEXT/木村真希
