プロ入り23年目を迎えた上原彩子。40代を迎えたが、まだまだゴルフという“冒険”の真っ只中にいて、今季は欧州女子ツアーに挑戦中。上原の好きな沖縄の言葉に「ゆいまーる(助け合い)」があり、上原彩子は人と人を結んできた。そして、上原から世界は広がっていく――。沖縄発、世界。“彩子の冒険”の日々を紹介していく。

今週はバリ経由沖縄。旧友との再会と奈紗ちゃんの優勝が嬉しくて!

画像: オフィシャルリムジンのなかでミルクティーを飲む彩子。「車内はなかなか広いでしょ!」

オフィシャルリムジンのなかでミルクティーを飲む彩子。「車内はなかなか広いでしょ!」

こんにちは、上原彩子です。今週のLET(欧州女子ツアー)は、おやすみ。残すは11月27日からのスペインでの最終戦のみとなりました。

まずは先週の中国・深圳のミッションヒルズチャイナで開催された「アラムコ・チャイナ・チャンピオンシップ」について。私は残念ながら予選落ちしてしまいました。やはりもう少し飛距離が必要だと感じるコースでした。私自身は初日にいいゴルフをしたと思ったのにイーブンパーでしたし、それでもカットラインは2アンダー。アラムコシリーズはトータル5試合あり、今年初めて4試合に出ることができましたが、どの試合も基本チャンピオンコース、アメリカっぽいコースでの開催で、飛距離が出る選手に有利でバーディ合戦になる感じなんです。LETの他の試合では、いろいろなハザードがあったり池が効いていたりして、ただ飛ばしていってもスコアを作れるわけではなく、マネジメントをしっかり組み立てなければいけないコースも多いし、そこに面白さもあるんです。でも、いずれにせよもう少し飛距離を伸ばさないといけません。そこは私の課題ですね。

チーム戦も行われましたが、真ん中くらいの順位でした。今回は、アイルランドのローレン・ウォルシュとスウェーデンのモア・フォルテ、インドのタヴェサ・マリックの4人チームで楽しくプレーできました。チーム戦は個人戦とは全然違ってとても面白いんですよ。でも、噂では来年からなくなるとか。こういう経験はできないですし、面白いから続けてほしいんですけれど。

そういえば一緒に回った選手やそのキャディさんたちのなかに、台湾での試合の後に空いた1週間で日本に遊びに行った人も何人かいました。中国での試合までに一度ヨーロッパに戻るより、遊びに行ったほうが動きやすいですもんね。東京の渋谷などでフラフラしたり、新幹線で京都に行ってお寺などをたずねたりしたみたいですよ。海外の人にとっては新幹線が魅力的みたいで、乗ることができたこと自体にも喜んでいました。私は東京といえば「はとバス」だと思っていたので、乗ったかどうか聞いてみたんですけど「知らない」と言われました(笑)。

画像: 練習レンジでおっきな女性と遭遇!?「シミン・フェンに会ったのは5年ぶりくらいかもしれません。今やお母さんです!」

練習レンジでおっきな女性と遭遇!?「シミン・フェンに会ったのは5年ぶりくらいかもしれません。今やお母さんです!」

中国では、懐かしい再会がたくさんありました。米LPGA時代に仲のよかった中国のシミン・フェン。アメリカの後は日本のステップ・アップ・ツアーで2年戦い、引退したんです。今回、試合の朝に練習場で声をかけられてびっくり。今北京に住んでいて、1カ月前に子どもが生まれたそうで、半日だけこの試合に寄って皆の顔を見て帰るつもりだったみたいです。彼女もペアリング表で私の名前を見つけてびっくりしたそう。お互い、まさか会えるとは思っていなかったんですよ。時間があれば一緒にご飯を食べたりどこかに行きたかったんですけど。

画像: 中国の試合で同じチームだった4人の選手とキャディ。「試合の空き週に日本へ遊びに行った話で盛り上がっていました」

中国の試合で同じチームだった4人の選手とキャディ。「試合の空き週に日本へ遊びに行った話で盛り上がっていました」

ずっと米LPGAに取材に来ていた中国メディアの方にも久しぶりに会って「今欧州ツアーなんだね!」と。「シミンとも、彩子のほうが年上なのに、まだヨーロッパで現役で戦ってるんだと話をしていたんだよ」と言っていました。そして先週勝ったルイシン・リウもアメリカで一緒だった選手。優勝が決まったときに水をかけに行くようにグリーンサイドで準備をしていたんですけど、中国のセキュリティの方は英語が話せないので、何をするのかが伝わらなくて私だけめっちゃ止められて。優勝が決まったとき、彼を押しのけて走っていったら追いかけてきたんですよ(笑)。そうこうしているうちに自分だけが出遅れて、それでも水をかけに行ったので、選手とキャディをしていたお父さんに最後に私一人だけが水をかけるという異様な光景になりました(笑)。でも一緒に頑張っていた選手が優勝する姿を久しぶり間近に見れて嬉しかったですよ。

それにしても、あの頃の仲間たちには“お母さん”になってる人も多くて……そういえば、(上田)桃ちゃんにも赤ちゃんが生まれて! 本当に何よりです。人生いろいろですよねえ。先週はゴルフの課題もいろいろ見つかりましたけど、いいめぐり逢いもあったのでよかったなあ。

画像: TOTOジャパンクラシックで米ツアーで3年半ぶり7勝目を挙げた畑岡。「本当によかった。海外への挑戦も早くて、皆が彼女に続いてきました」

TOTOジャパンクラシックで米ツアーで3年半ぶり7勝目を挙げた畑岡。「本当によかった。海外への挑戦も早くて、皆が彼女に続いてきました」

アメリカ時代の仲間の嬉しい出来事といえば、(畑岡)奈紗ちゃんの優勝です! ミズノレディスオープンじゃなくて、TOTOジャパンクラシックでの優勝、めっちゃよかったなあと。皆すごく頑張っていましたけど、そのなかで奈紗ちゃんが勝った。彼女のことはルーキーの頃から知っているし、優勝は久しぶりだし。今アメリカにいる若手の日本選手の活躍を引っ張ってきたのは奈紗ちゃんに間違いないんです。

彼女が一生懸命頑張ってきたことも知っています。21年の全米女子オープンには私も出場していて、自分の試合が終わった後、プレーオフに付いて見ていたんです。だからあのとき、笹生(優花)ちゃんに負けた悔しさもわかるし、最近アメリカで若手日本選手が活躍しているなかでなかなか勝ちきれないもどかしさもあったと思う。だからこそ、今回優勝して、しかも日本で勝てたからめちゃくちゃよかったです。

もう1つ私にはすごく覚えていることがあって、コロナのせいでオフになった時期、選手たちにはそれぞれの過ごし方があったけど、復帰したとき、奈紗ちゃんはものすごく体がでっかくなってアメリカに帰ってきました。遠くから見たとき、また新しい小さくて強い韓国選手が参戦しているのかなと思ったら、奈紗ちゃんでびっくり! 話を聞いたら、コロナの時期、家にトレーナーさんを呼んで、「今しかできない」とガッツリトレーニングをしたそうです。本当に超ストイックですごい。今の若い選手たちは皆そうかもしれないけど、勝つために何が必要かという分析力があるし、やりたいことを成し遂げるためのプロセスをしっかり学ぶ選手が多いですよね。私は本当に常に皆さんから学ばせてもらっています。

画像: バリ島の息抜き旅の“先出し”写真。「地元の人が行くレストラン。自分で好きなものを選んで1プレートに盛り付けるんです。美味しかったですよ~」

バリ島の息抜き旅の“先出し”写真。「地元の人が行くレストラン。自分で好きなものを選んで1プレートに盛り付けるんです。美味しかったですよ~」

実は、沖縄に帰る途中にインドネシアのバリ島に寄ってきました。その話はまた来週、することにしますね。

うえはらあやこ・1983年沖縄県那覇市出身。12歳でゴルフを始め、おかやま山陽高校卒業後04年プロ入り。日本ツアーで3勝を挙げ、14年から米LPGAツアーに本格参戦し10年間シードを守り続ける。現在は欧州女子ツアーに参戦中

写真/本人提供、Shinji Osawa

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