
"市民から愛されているゴルフ場をトランプ大郎調が改造する"と報じられている
イーストポトマックパークGCという公営パブリックコースはウォーター・トラビス設計の18ホール。コースからはワシントンモニュメントやジェファーソンメモリアルなどが遠望でき、プレーフィーは17ドル(週日の9ホール)から48ドル(週末の18ホール)と格安。市民から長年愛されているコースだ。しかし、このコースに目を付けたのがトランプ大統領だ。
コースを改造して「ワシントンナショナルゴルフコース」と名付ける予定だとニュースメディアのポリティコが伝えている。これが発覚したのは、ワシントンポスト紙がホワイトハウスのイーストウイングの解体に関連して報じたからだ。
ファーストレディの執務室などがあったイーストウイングだが、ホワイトハウス、ひいてはアメリカの歴史が刻まれている建物を解体して新たにボールルーム(舞踏室)やゲストルームを造るというのだ。予算借置の否決により政府機関が閉鎖しているなかで3億ドルもの寄付をアマゾンなどのIT産業その他から集め、足りなければ自腹も切ると強引に工事を進めている。そして、そのイーストウイングの解体などで出た土をイーストポトマックパークGCに運び入れている。
ワシントンポスト紙ではゴルフコースのマウンドを造るためとしているが、正確なところはほとんど誰も知らず(語らず)トランプ氏の胸の内とか。実はこのコースはトランプ氏が最初に大統領になった時にNPOのナショナルリンクストラストに2070年まで貸し出され、管理されているもので、本来なら大統領でも勝手に土を入れたり改造できるものではない。
確かにトランプ氏のゴルフコースの評価は高く、彼が関与してコースを改造するとなれば、良いゴルフ場ができるのかもしれないが、庶民ゴルファーの憩いの場所はなくなってしまうのではないかと危惧されている。
※週刊ゴルフダイジェスト2025年11月25日号「バック9」より
