ゴルフ場での練習場が人工芝マットではなく、天然の芝ならいいのになぁと思ったことがある人は多いはず。特に上級者にとってはうれしいことだろう。そんな贅沢な夢を実現させたのは神奈川県にある大箱根CCだ。
画像: 大箱根CCがドライビングレンジに設置した高麗芝から直接ショットができる「SHIBAHUプレート」

大箱根CCがドライビングレンジに設置した高麗芝から直接ショットができる「SHIBAHUプレート」

同CCは先月からドライビングレンジに高麗芝から直接ショットができる「SHIBAHUプレート」打席を設置した。縦70㎝×横30㎝(厚み5㎝)の高麗芝プレートを専用打席に埋め込んで使用する。スコア100前後の一般ゴルファーなら40~60球程度は使用可能。全国初導入だという。

この取り組みを始めたきっかけは同CC広報担当の奥村学氏によれば「ずっと頭のどこかにSDGsがありました。そんな時、再生できる芝生プレートをすすめる人がありまして、これだ! と飛び付きましたね」。

どういうことか? 同CCは他のゴルフ場の付帯練習場と同じく人工芝のマットを利用していた。そのマットは1年間に2~3回ほど取り替える必要があり、年間60枚ほど交換・廃棄する年もあったという。天然芝を利用することで、この産業廃棄物を削減できるのがまず第一。

次に使用済みのプレートは業者のナーセリィ(芝生養成畑)に戻され、再生されて戻ってくる。高麗芝は繁殖力が強く、丈夫で長持ちなのだ。まさにSDGs(持続可能な開発目標)な好循環と言えるだろう。天然芝で練習できることのメリットとは?

「アイアンの練習ではヘッドがどういう入射角度で入るかが生命線。スピンもそれによってどうかけていくか、かかるかが実感できます。だから本物の芝で練習できるというのは貴重。ただし、これはきちっとヘッドを入れられる上級者だけに言えることで、初級者はダフるとボールが飛んでいかないのでつまらないと思いますよ。人工芝は滑ってくれるので、ダフっても飛んでいってくれますから」と話すのはTV解説者でプロゴルファーのタケ小山氏。

同CCでは従来の人工芝打席も20打席あり、徐々に天然芝打席を増やしていく意向だという。プレートの利用料金は1000円。同CCは開場が1954年。設計は日本ゴルフ界草創期に活躍した大谷光明。箱根外輪山を背景にして仙石原に広がる雄大なロケーションを持つ丘陵コース。1997年からJLPGAツアーの新キャタピラー三菱レディース、(現CAT Ladies)を開催している。ゴルファーなら一度はラウンドしてみたいコースだろう。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年11月25日号「バック9」より

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