プロのようなスウィングをしているつもりでも何かが違う。トップの形一つを比べても思った位置に上がっていない。体を動かす脳へのインプットを変えることで改善させられるという機能神経学からのアプローチを荒木良亮トレーナーに教えてもらった。

イメージした形にならない? その悩み機能神経学で改善できますよ

「機能神経学からのアプローチ」を簡単に説明すると、例えば視覚や前庭感覚(内耳の三半規管や耳石器を通じて、体の位置、重力、加速、回転などを感じ取る感覚)にアプローチすることで動きの鈍さや体の左右差を改善し、スムーズな動作に導くことにつながるというもの。

画像: 機能神経学からのアプローチでゴルフの向上を指導する荒木良亮トレーナー

機能神経学からのアプローチでゴルフの向上を指導する荒木良亮トレーナー

阿部未悠選手は荒木トレーナーの指導を受けた2週間後には「マスターズGCレディース」と「三菱電機レディス」で2週続けて2位で終え、今季初優勝から4勝を挙げ年間女王を目指す佐久間朱莉選手も、帯同する藤山トレーナーと共に同じような機能神経学からのアプローチに積極的に取り組み結果につなげています。

簡単なテストをしてみましょう。目を閉じて両手を肩の高さに広げてみてください。目を開けて確認してみると左右の腕が同じ高さに上げられていますか? 自分で思った位置とは違う位置に上がっているとしたらボディマップと言われる体の位置感覚のズレがあるはずです。

そこで機能神経学からのアプローチで、脳へのインプットを変えることで正しく体を動かす方向につながる可能性があると荒木トレーナー。

「脳は安心、安全、安定が好きなんです。安心、安全、安定であれば体の動きは良くなります。ですから少しでも安全でないと感じると力んでしまったり、テンポが速くなるなどのミスの原因になります。そこで働きの悪い神経にアプローチすることで脳がパフォーマンスを発揮して良いんだと解釈し、力まずにスムーズな動きになるように改善する事ができます」(荒木トレーナー:以下同)

試しに荒木トレーナーから「片方ずつ腕をぐるぐる回してみてください」とやってみると、右腕のほうが回しにくい感じがした。すると「私の指を見たまま頭を左に傾けて軽くジャンプを10回やってみましょう」と、ジャンプした後に腕を回してみると、あら不思議。腕の回しにくさが取れて左右差を感じないほどに改善された。

画像: 体の動きにくさを感じる側に頭を傾け、立てた親指を見ながら10回ジャンプすると三半規管が刺激され神経の伝達が改善されると荒木トレーナー

体の動きにくさを感じる側に頭を傾け、立てた親指を見ながら10回ジャンプすると三半規管が刺激され神経の伝達が改善されると荒木トレーナー

「これは前庭感覚へのアプローチをして神経を活性化させた結果です。他にも運動と関係の深い小脳や中脳などさまざまな場所へのアプローチをする仕方があるので、朝の練習前にご自身の動きをチェックして動きにくさを感じる部位に対して自分で改善できるようなウォーミングアップを指導したり、機能を強くするためのトレーニングを指導しています」

ゴルフでは、ホールロケーションによって真っすぐに立ちにくいホールや傾斜地からのショットなど練習場と違って打ちにくい場面に多く遭遇します。そのときに真っすぐに立てているのか、斜面に合わせて正しく立てているのか。平衡感覚や体のセンサーが正しく働いていないと、ミスショットになる確率は高まります。もしスタート前に体の感覚のズレを修正できたら、スコアに直結するとは思いませんか?

画像: コースではよくある傾斜地からのショットでは体の感覚にずれがあるとミスショットになりやすい

コースではよくある傾斜地からのショットでは体の感覚にずれがあるとミスショットになりやすい

荒木トレーナーによると、「自宅やスタート前など手軽にできるドリルもあります」と一般ゴルファーにとっても取り入れやすいのも「機能神経学」の特徴。

日々変わる体のコンディションを整え感覚のズレを最小化し、持てるパフォーマンスを発揮することにつながる「機能神経学」からのアプローチは、ゴルフをもっと楽しくしてくれることでしょう。

取材協力/コモ ゴルファーズ アカデミー

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