ゴルフの天敵“ねじり”をなくす「桜美式 エイトフィンガー」

左から久我健心くん・加藤蓮くん・大地陸遥くん
毎年霞ヶ関CCで開催されるジュニアの日本一決定戦「日本ジュニア選手権」。この大舞台でも“桜美ジュニア”たちは、エイトフィンガーグリップでクールに戦っていた!
「エイト」とは数字の「8」。右手の人差し指と中指の間にシャフトを置き、「8本の指」で握るイメージのグリップである。
今夏の日本ジュニアで桜美ゴルフに通う高校生3人を直撃した。3人のグリップをよーく見てみると、確かにクワガタ虫のような形で握っている。しかし、振っている姿にはまったく違和感はなく、むしろスムーズでダイナミックなスウィングだ。
加藤蓮くん(沖学園高1年)がゴルフを始めたのは11歳。最初から「エイトフィンガー」だったので「これが普通」。 「右手を使わないので、自然に振り抜けている感じがします。かといって、飛ばないわけではないんです。手を使わないから体が使えてインパクトにエネルギーを集約できる。だからボールが飛んで曲がりません」
大地陸遥くん(沖学園高3年)は、ゴルフを始めた7、8歳頃はテンフィンガーだったが、「もう戻さないと思います。ケガもないですし」ときっぱり。体は決して大きくないが、ドライバーで290~300ヤード飛ばす。 「これで握ると“クラブが飛んで行きそう”という大人がいますけど、そのイメージこそがいいんです。だって力を抜くことが目的なんですから。力が入るとミスするし絶対飛びません」

大人が“怖い”と感じるイメージこそエイトフィンガーのメリットだという。「だって力を抜くことが目的なんですから。ケガもしなくなりますよ」
久我健心くん(熊本国府高3年)は、最初はオーバーラッピングで握っていたが、小学生時代に左手の甲を疲労骨折、体にやさしいスウィングを求めて12歳で桜美式の門を叩いた。 「振りやすくて曲がり幅が減りました。力が抜けて軽く振れるのでケガもないですね」

久我くんは他の2人とは少し違い、親指と人差し指を握らないエイトフィンガー。「力を抜くのがこのグリップの目的。これでも同じ効果があるんです」
「エイトフィンガー」について、ジュニアたちはしっかりした受け答えでそのメリットを語ってくれた。 「誰もがラクに上達するエイトフィンガーでゴルフが変わるし、ゴルフ界が発展するはずです。子どもたちには『皆が、ゴルフ改革者の1人になるんぞ』といつも伝えているんで、そんな答えが出るんでしょうね」と考案者である篠塚武久コーチは語る。
「一番大きな効果は、右手を3本の指と2本の指に分けるので、“握らなくなる”こと。だから体全体がリラックスし、筋肉に頼らず振れるからスムーズなスウィングになり故障しません。皆さんはグリップは“握る”ということしか考えていない。それが力みを生み、スウィングはもちろん、人間をすべて硬くしてしまうんです」
「握らなくなるから体全体がリラックスし、筋肉に頼らなくなる」(篠塚)

写真左が8本/写真右が10本で握っている
「力を加える指が多いほど体の動きは制限されます。親指と人差し指は力を入れるために存在する指です。武蔵はこの2本を外して剣術したと言いますし、買い物かごなどを10本で持つか8本で持つか。試すと後者のほうが軽く感じることがわかるでしょう」

左から:エイトフィンガー/テンフィンガー/オーバーラッピング
PHOTO/Shinji Osawa、Norimoto Asada
※週刊ゴルフダイジェスト12月2日号「桜美式エイトフィンガー」より
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「体を交差させずに引く」という人間本来の作用を使った独特な動きや、アプローチイップスも克服させたという、パターやアプローチといったショートゲームへのエイトフィンガーの応用についても徹底解説。「ゴルフがどんどん簡単になっていく」というその秘密を知り、ねじりの呪縛から解放されたい方は、週刊ゴルフダイジェスト12月2日号、Myゴルフダイジェストにて確認しよう!




