韓国のゴルフ練習場運営の大手会社が、九州でも名コースの一つに数えられるゴルフ場を買収した理由とは――。
画像: 紺国企業が買収した阿蘇赤水GC

紺国企業が買収した阿蘇赤水GC

韓国ゴルフ統合プラットフォーム企業(練習場も運営)のショーゴルフ(SHOWGOLF)が熊本県阿蘇市の「あつまる阿蘇赤水GC」を買収したと発表した。

同GC経営の㈱阿蘇赤水GCの全株式を、ショーゴルフ傘下で2023年からさつまゴルフリゾートを経営している㈱さつまゴルフリゾートが取得したというのだ。買収金額は非公開。すでに名称も「赤水ゴルフリゾート」と変更して併設のホテルも100室を整備して営業している。つまりショーゴルフは九州で2カ所のゴルフ場を経営しているのだ。

韓国からのアクセスも容易な九州のゴルフ場を“欲しがる"のには自国のゴルフ事情がある。韓国の人口約5170万人に対してゴルフ人口は約564万人。そしてゴルフ場の数が522コース。参考までに我が国の人口は約1億2300万人。

あるスポーツ財団の調査によればゴルフ人口は856万人(男性697万、女性144万人)でゴルフ場数は2123コース。これらの数字から見ると、韓国のゴルフ場の数が圧倒的に少ないことがお分かりだろう(反対に日本はゴルフ場が多すぎる)。そしてゴルフ場をもっと造成しようと思っても韓国は平野部が少なく、増やせない事情がそこにある。

韓国人の間で日本へのゴルフツアーの人気は高く、そのインバウンド需要に対応した買収だったのであろう。同リゾートは「阿蘇GC赤水コース」の名称で、1966年開場。設計は日本のゴルフ黎明期をリードした巨匠・赤星四郎。阿蘇連山を背景に広がる阿蘇カルデラのなだらかな放牧地を訪れた赤星はこのロケーションに一目ぼれ。27ホールを大地に刻んだ。

「設計料など問題ではない。自分の生涯の傑作を造りたい」と話したと記録に残る。2013年に運営会社が代わり「あつまる阿蘇赤水GC」となり、今回の同リゾートへと三転しているわけだ。

日本男子ツアー、ブリヂストン阿蘇オープンの開催地としても知られた。とにもかくにも歴史と伝統を誇る赤星の傑作「赤水」の名前が残ったのは幸いであった。

※週刊ゴルフダイジェスト2025年12月2日号「バック9」より

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