
これまで無冠のネリー・コルダだが平均スコアはジーノ・ティティクルに次ぐ2位(撮影/岩本芳弘)
無冠のシーズンを語る本音:「紙一重」と「運の波」
「今年は間違いなく興味深い年だった」と、コルダは2025年シーズンを総括した。
「本当に良い閃きもありましたが、『今、何が起こったの?』という瞬間もありました(笑)。昨年(7勝)の後、それを続けるのは常に難しいことなのです」
リディア・コーの指摘と「紙一重」の現実
コルダが今年、優勝から遠ざかった要因を分析する。それは、競合選手のレベル向上と、ゴルフ特有の「運の波」だ。
前日、リディア・コーが会見で「ネリーのスタッツは昨年とほぼ変わらないのに、優勝しておらず、昨年は7、8回優勝しました」と、コルダのプレーの質が変わっていないことを指摘している。これは、トップレベルのゴルフが「非常に多くの変数」によって成り立っていることを示唆している。
この指摘を受け、コルダ自身も「正直、紙一重だと思います。それは時としてワンショットに懸かっています。パットがカップの縁で嫌われ、勢いを掴めない。ゴルフに関しては、それは本当に紙一重なのです」と、運命を受け入れる姿勢を見せた。
努力は「昨年以上」に続けている
優勝がないなかでも、彼女が誇りに思うのは、ゴルフにかける「努力の量」だ。
「このゲームに捧げる努力のレベルでいえば、私はおそらくより多くの努力をしていると思っています。毎年、私はもっと、もっと、もっと多くの努力を捧げているのです」
練習、勤勉さ、身体のメンテナンス——改善できる新しい要素があれば、何でも試すという彼女。「努力が欠けている部門は一つもありません」と言い切る。むしろ、2021年以来、毎年数カ月のケガで欠場していたことに触れ、「今シーズンはほとんど健康でいられたことが、非常に大きな目標でした」と、ポジティブな側面を強調した。
最終戦への覚悟:「安心感」と「トロフィーを掲げること」
コルダは、過去「CMEグループ ツアー選手権」で19位以下になったことがないという好相性を誇る。その理由は、フロリダという「ホーム」にある。
「私はフロリダでのゴルフが大好きです。ここで育ったし、家族や友人が来てくれる。バミューダ芝で育ったことがアドバンテージになっています」と語り、慣れた環境と、支えてくれる人々の存在が、彼女に「安心感」を与えている。
「目標はトロフィーを掲げること」
「ツアー選手権に出場することが常に目標なんです」と語るコルダ。優勝がないまま迎えた最終戦だが、その意気込みに揺るぎはない。
「もちろん、最終的な目標は週末の終わりにトロフィーを掲げることです。何があっても、私は自分のことを誇りに思うでしょう」と、結果にかかわらずシーズンを通じて努力した自分を評価すると述べた。
彼女のモチベーションの源は、世界最高の選手たちとの競争にある。「最高の選手たちと競い合うことが、私がここに来て競争するための原動力です。彼女たちのおかげで、私も常にゲームのレベルを上げたいと思えます」
最終戦での優勝は、「運命」に微笑んでもらう必要があるかもしれない。しかし、コルダは「まだ一週間あります。何が起こるか分からないので」と、最後まで勝利を諦めない覚悟を語った。

