「ツアークオリティのクラブ工房」は、27年間、国内大手メーカーでトッププロ、トップアマ、トップジュニアのクラブをサポートしてきた今井正人氏が、クラブに関するお悩みを解決するコーナーです。他の工房で「それは無理」と断られた。買ったはいいけどまったく合わない。もうちょっと飛ぶようにならないか。この企画は、クラブに生じている問題点と解決策を探りながら、「ツアークオリティのクラブ」に仕上げるまでをレポートするものです。

長く眠らせているシャフトも先端が生きていれば再生可能です

GD 今日の依頼はフェアウェイウッドのリシャフトですか。

今井 2014年に発売された「ロイヤルコレクション X7Ti」の3番と5番になります。3番ウッドは新品で購入されたそうなんですが、5番ウッドは先日オークションで見つけて購入されたものだそうです。

GD 3番ウッドのシャフトは「スピーダー60FW」のS。このシャフトはスピーダーがまだ「モトーレスピーダー」と言われていた時代のものですから、ずいぶん時間が経っています。

今井 もうこのシャフトを見つけるのは難しいし、60グラムのSシャフトも振り切れなくなったということで、3番と5番のリシャフトをすることにしました。

GD リシャフトするシャフトは「ツアーAD HD(5S)」ですか。「PRGR」と「タイトリスト」のスリーブが付いていますが、再利用ということですか?

今井 カスタムシャフトは高額なのでフェアウェイウッドに付ける人は多くはありませんが、もしお使いになっていないタンスに眠っているシャフトがあったら、状態にもよりますが再利用することも可能です。3番ウッドの「スピーダー60FW」と同じ白色のシャフトが良いと言うことで、「ツアーAD HD」に付け替えたいという依頼です。

GD ドライバー用のシャフトをフェアウェイウッドに付ける場合は、長さが短くなるので問題はなさそうですが、一度使用したシャフトを再利用して大丈夫なんですか?

今井 今回はどちらもメーカー純正なので、使用経路が明確です。しかし、中古シャフトはどんな使われ方をしてきたかわからないので状態を見て判断します。何度もリシャフトされたものは先端が削られ細くなっていることがあるので、そういった場合は、再利用不可となります。

画像: ヒートガンでスリーブを温め、シャフトを抜きます

ヒートガンでスリーブを温め、シャフトを抜きます

画像: ヘッドとシャフトを分解して接着に入ります。今回はシャフトの再使用でしたが先端の状態に問題がなかったので接着剤の残りかすを除去して接着

ヘッドとシャフトを分解して接着に入ります。今回はシャフトの再使用でしたが先端の状態に問題がなかったので接着剤の残りかすを除去して接着

GD 「ロイヤルコレクション」のフェアウェイウッドは男子プロツアーで大人気でしたが、この「X7Ti」はフェースが被っておらず、すごくいい顔をしていますね。

今井 依頼主もこの顔が好きで5番ウッドを探していたそうなんですが、なかなか程度のいいものが見つからず、5年ほど探してやっと見つけたそうです。

GD 「ロイヤルコレクション」は知る人ぞ知る高級ブランドだから、中古市場でも数は多くありません。5番ウッドとなると使用に伴う傷も発生するので、状態の良いものを見つけるのは大変だったでしょうね。

今井 やっと見つけた希少なクラブをどこでリシャフトしようか探していたところ、「ツアークオリティのクラブ工房」の記事を見て、お問合せいただきました。

GD まずはシャフト抜きとスリーブ抜きをしてパーツをばらす作業からですね。

今井 お持ち込みいただいた「ツアーAD HD」は先端の状態も問題ないので再利用可能ですが……。肝心のヘッドに問題がありますね。3番が「211.1グラム」で、5番が「208.1グラム」。5番のほうが3グラム軽い。この場合、組み上がったときのバランスの流れが合わなくなります。

GD となると?

今井 同じバランスに仕上げるには、相当重量を加えないといけなくなります。ネックに4グラム錘(おもり)を入れたとしても、まだ7~8グラム足りません。

GD 以前(この連載で)「ミズノ」のアイアンでも問題が発覚したことがありますが、中古クラブには“訳あり”が多いですね。

今井 そうですね。中古クラブ、中古シャフトはどんな使われ方をしてきたかわかりませんし、中古ショップの下取りに出せないものがオークションに出されていることもあります。今回の5番ウッドは明らかにヘッド重量が軽いので、推測ですがヘッド内部の樹脂が抜かれているかもしれません。

GD 時間をかけてやっと見つけたヘッドなのに残念ですね。中古クラブは安いかわりにリスクがあると思わないといけませんね。

今井 組み上げましたが、3番のバランスが「D-0」で、5番は4グラムネックに錘を入れても「C-8」でした。あとは鉛を貼って調整するしかありません。

画像: 5番ウッドのヘッド重量が足らなかったため、4グラムのウェイトをネック部に入れました。それでもまだ重みがたりません

5番ウッドのヘッド重量が足らなかったため、4グラムのウェイトをネック部に入れました。それでもまだ重みがたりません

GD 3番のバランスを軽くするには、クラブを短くするしかない?

今井 3番と5番を同じ長さにする「ワンレングス」の考えもありますが、ライ角の問題もあるのであまりお勧めしません。

画像: 「ロイヤルコレクション X7Ti」はヘッド形状が非常によく、調整なしでホーゼルなりにシャフトを装着することができました

「ロイヤルコレクション X7Ti」はヘッド形状が非常によく、調整なしでホーゼルなりにシャフトを装着することができました

GD 一度打ってもらって、どうするかですね。

今井 「ツアークオリティのクラブ工房」(ゴルファーズラウンジby tantanto.)は、アフターケアにも対応しますので、お気軽にご利用いただければと思います。

【依頼者レビュー】
5番のヘッド状態のことを聞いて残念でした。「ヘッド後方のバッジを外してジェルを注入しますか?」と聞かれましたが、バッジがどう接着されているか、きれいに戻せるかわからないので、今回は組み上がった現状で使ってみることにしました。

2ポイントアップとなると鉛の量(8グラム)になるので、どこに貼るか。幸い「ロイヤルコレクション」のソールは「馬蹄形」が特徴なので、ここに貼ってみようかと思います。今回リシャフトを依頼したヘッドは、新品はもちろん中古市場でも見つけるのが困難なものだったのでオークションで購入しましたが、そういったものが出回っていることを経験し勉強になりました。

お気に入りのヘッドなので、納得がいくまであれこれ調整していこうと思うので、その際はまたご相談させてください。

ツアークオリティのクラブ工房からのお知らせ!

ツアークオリティのクラブ工房(ゴルファーズラウンジby tantanto.)では、以下のキャンペーンを実施しています。なにかと敷居の高さを感じる「クラブ工房」ですが、お気軽にお問合せください。

■アイアン「NS950」ユーザー必見! “ワンランク上”の振りやすさを手に入れるリシャフト術(こちらの記事をご覧ください↓)

●アイアンのリシャフト「サブロク・キャンペーン」/36000円(アイアン6本、税込み)
※アイアン1本からリシャフトを承ります。料金に含まれるもの。シャフト代、組み直し作業、長さ、ライ角、ロフト、バランスなどの各種調整。
※グリップ代は別途。再利用可能な場合は、キャンペーン対応といたします(無料)。「希望するシャフト銘柄」によって料金が異なる場合があります。

■FWの顔のかぶりが気になる方

●「FW組み直しキャンペーン」/1本7000円(税込み)
※料金に含まれるも。シャフトの抜き差し、バランス調整。グリップを1度抜いての作業になります。グリップの再利用にも対応しますが、グリップの状態を見て再利用不可の場合は、新品との交換となります(料金別途)。

■FW、UTが上手く打てないのはシャフトが原因かも?

●「アッタスMBリシャフトキャンペーン」/FW1本18000円、HY(ユーティリティ)1本13000円(税込み)
※料金に含まれるもの。シャフト代、組み直し作業、長さ、バランスなどの各種調整。※グリップ代は別途。

●フィッティング料金/5000円(40分、税込み)
※「キャンペーン」ご利用者限定の「特別料金」となっています。フィッティング後、商品発注となるため、作業日は別日とさせていただきます。

●場所/東京都港区赤坂2-13-18コリンズ33 B1F(バーディ赤坂24内)
※郵送(送料別)での対応もさせていただきます。「作業立ち合い」をご希望の方は、作業日時のご予約をお願いします。

●問い合わせ/ゴルファーズラウンジby tantanto.

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