「上から」でも「レベル」でもなく「ゆるやかなダウンブロー」が良い理由とは?
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。今シーズンも女子ツアーはルーキーが活躍しましたね。都玲華プロもその一人ですが、見事にシード権を確保しました。その都プロがコーチである石井忍プロと取り組んだことが週刊ゴルフダイジェスト12/2号の「ゆるやかダウブローならグリーンが狙える」という記事になっていました。一体どんなことに取り組んだのでしょうか? 気になるので試してみました。

週刊ゴルフダイジェスト2025/12/2号で特集されていた、都玲華がやっている「ゆるやかダウンブロー」で打つコツを実践!
都玲華プロと石井忍プロが取り組んだのは入射角を安定させること。上からでもレベルでもないゆるやかなダウンブローを目指したということです。都プロはアイアンが得意なのでアイアンのキレを上げていこうということになり、「パーオン率70%」という目標を立てたそうです。そのために取り組んだのが飛行機がソフトランディングするようなゆるやかな入射角ということなんですね。最近のアイアンはストロングロフトで低重心なので、上から打ち込みすぎると芯を外しやすく、球が上がりません。ですから、ゆるやかなダウンブローはアマチュアにとってもぜひ意識して欲しいと石井プロは言っています。
ゆるやかダウンブローで打つポイント①「軸を安定させる」
ゆるやかダウンブローのために重要なのは、まず「軸の安定」。スウィングは軸がブレてしまうと芯で打てないので、軸の安定は大事。軸の安定を感じるためには目をつぶって素振りすることがいいようです。強く&速く振りすぎたりすると体のバランスが崩れてしまうので、安定して振れるスウィングを覚えましょう。
そしてもうひとつ、帽子のつばを安定させるというのもいいそうです。頭を固定するというイメージだと余計な動きが生まれてしまうそうで、つばが暴れないように意識するという感覚がいいそうです。確かに頭を固定するイメージだと、変に力が入ったりしてしまうので、つばが動きすぎないというくらいのイメージはとても良さそうです。

(左)目をつぶって素振りをしてみる。(右)帽子のつばが暴れないように意識する
ゆるやかダウンブローで打つポイント②「右わきを適度に締める」
軸の安定ができれば次は「右わきの締め」が大事だそうです。右わきが空いてしまうとカット軌道になり、入射角も鋭角になってしまいます。なので、右わきは締めたまま振れば、体と手元が同調し、インサイドからクラブを下ろせます。インサイドアウト軌道=ゆるやかな入射角ということになるんですね。右わきは締めすぎても力が入ったり、タメが強くなりすぎたりするのでダメということです。

(左)右わきが適度に締まっているのが良い(中)右わきが空くとアウトサイドインになる(右)締めすぎてもダメ
ちょうどいい右わきの締めを体感するには「右わきに体温計を挟んだまま打つ」というのがいいそうです。体温計を挟むのに脇は強く締めませんし、適度な締まりになるということなんですね。実際に何かを挟んで打つのが効果的なのですが、その場合重いものを挟むと力みが生まれるので、細くて軽いものを挟むのがいいそうです。石井プロは菜箸を挟んでスウィングしていたので、僕もやってみることにしたのですが、菜箸がなかったのでアライメントスティックを挟みました。

右わきにアライメントスティックを挟んでスウィングしてみましたが、本来はもう少し短いもののほうがいいようです
アライメントスティックを右わきに挟むと確かにわきを締めないと落ちてしまいますが、強く締めすぎると折れてしまいそうです。この力感のままスウィングをしてみますが、手だけで振ってしまうとトップでわきが空いてしまうので体と一体になってテークバックしないといけません。インパクトでも適度な右わきの締まり具合にしておくとインサイドからゆるやかな軌道でヘッドが下りてくる感覚がよくわかりますね。僕の場合元々少しアウトサイドから下りてしまうタイプなので、このドリルはとてもいいです。
そしてもうひとつのドリルが定番の片手打ちドリルです。右手だけでクラブを持ち、左手は右わきの前に当てて、腰から腰くらいの振り幅でボールを打ちます。今までも片手打ちは何度もやったことがありますが、右手は器用なので手打ちでもボールに当てることはできるので、しっかりと体と腕を同調させることが大事です。
ゆるやかダウンブローで打つポイント③「右足の蹴り」
右わきの締めと共に大事なポイントがもうひとつ。それは「右足の蹴り」だそうです。スウィングというのは円軌道なので、この円軌道がズレると入射角は不安定になります。これを安定させるためには肩のラインを水平に保つことだと石井プロは言っています。そのために必要なのが右足の蹴りなんですね。
その右足の蹴りで必要なのが「底屈」だそうです。この底屈というのはつま先を下げる動き。これができると右ひざが伸びて右サイドの高さが保て、ゆるやかなダウンブローに繋がるということなんです。底屈と逆の動きは背屈になるのですが、そうなってしまうと右ひざが出て右肩が落ちてしまうんですね。アマチュアはこの動きになっている人が多いそうです。

(左)つま先を下げるように底屈すると右ひざが伸びて右サイドの高さが保てる(右)アマチュアは右足首が背屈してしまい右ひざが前に出て、右肩が下がる
右足を蹴り肩のラインを水平に保つためのドリルがハーフウェイダウンから打つドリル。ハーウェイダウンの形を作り、そこから右足首の底屈を意識しながら右サイドを高くキープするイメージでボールを打ちます。
やってみましたが、右足の底屈を意識して右足首を伸ばすようにすると、右サイドを高くキープしやすいですね。これなら入射角もゆるやかになりそうです。

ハーフウェイダウンの位置からボールを打つドリル
そしてもうひとつのドリルが右つま先でゴムパッドを踏みながら打つというもの。ゴム製のパッドやバランスディスクを右つま先の下に入れて、つま先でしっかり踏みながらボールを打ちます。硬いものよりも軟らかく、高さがないものがいいそうです。
これもやってみました。ちょうどいいものがないのでタオルを畳んで代用してみました。インパクトの時にしっかりと右つま先で踏むようにしてボールを打つと、右足首の底屈というのがよくわかります。これはなかなかいいドリルだと思いました。ただ注意しなければいけないのは、右足を踏み込むときに上体も一緒に起き上がらないことですね。

右つま先をしっかり踏みながらボールを打つ
今回パーオン率をアップさせる「ゆるやかダウンブロー」を打つためのドリルを試してみましたが、これを続ければ確かに安定したインパクトが手に入りそうだと思いました。闇雲にボールを打つのではなく、こういうドリルを続けるのが上達の秘訣なんだな~と思います。都プロはこのゆるやかダウンブローで安定だけでなく、ドライバーの飛距離もアップしたのだとか。これはぜひ続けてやりたい練習法ですね。皆さんもぜひ試してみてください。


