国内男子ツアーは、来季のフルシード(賞金ランク66位以内※)を懸けた最終局面へ突入した。1200万円前後がシードラインと見られるなか、出場枠が限られるシード争いのボーダーライン上の選手たちの運命を分ける熱き攻防に注目が集まる。
※本来、シード権は65位までだが、「カシオワールド」前でランク55位に位置する金成玹は出場義務数(25試合中13試合)を満たしておらず、シード権が1つ繰り下がる

塚田よおすけが「ダンロップフェニックス」勝利でシード権獲得!

画像: 先週開催された「ダンロップフェニックス」で勝利した塚田よおすけ(撮影/有原裕晶)

先週開催された「ダンロップフェニックス」で勝利した塚田よおすけ(撮影/有原裕晶)

先週の「ダンロップフェニックス」は、長らく優勝から遠ざかっていた塚田陽亮が、9年ぶりとなる劇的な復活優勝を遂げた。この勝利により、彼は賞金ランク70位から一気に19位へとジャンプアップ。優勝賞金4000万円という巨額の恩恵は、低迷していた彼を一瞬にして来季のフルシードというプロの生命線へと引き上げた。

また、塚田と同じくジャンプアップを果たした池田は、ダンロップ終了以前で66位とボーダーライン上にいたが、「ダンロップフェニックス」では通算4アンダーの13位タイに入り、327万4285円を獲得して59位に順位を上げた。

残るは「カシオワールドオープン」(優勝3600万円)となり、この最終盤の高額賞金大会がボーダーラインの選手たちの運命を決定づけることになる。

▼優勝賞金一覧(賞金総額)

【終了】ダンロップフェニックストーナメント:4000万円(2億円)
▶カシオワールドオープンゴルフトーナメント:3600万円(1億8000万円)
・ゴルフ日本シリーズJTカップ:2600万円(1億3000万円)

若き才能たちが続々と初シード確定!

一方で今季のシード争いは、原敏之、古川龍之介、出利葉太一郎は、QTやリランキングといった厳しい関門を乗り越え、長年の苦労を経て、初シード権を確実にした。ランキングで言えば、出利葉太一郎が56位で1236万円、古川龍之介が39位に位置していることが示す通り、ツアーの新しい柱となる力を持っているだろう。シード権は、彼らにとって予選会からの解放、人気大会への優先出場といったキャリアを確固たるものにする最大の足がかりとなる。

51位:鍋谷 太一/1731万3573円
52位:鈴木 晃祐/1592万3060円
53位:前田 光史朗/1448万4803円
54位:平本 世中/1357万5805円
55位:金 成玹/1242万9740円
56位:出利葉 太一郎/1236万2671円

みんゴル的シード権当確ライン

57位:福住 修/1183万5714円
58位:谷原 秀人/1175万2654円
59位:池田 勇太/1121万7535円
60位:嘉数 光倫/1103万6435円

シード権獲得の可能性が高い選手(1000万円以上)

61位:竹安 俊也/971万8373円
62位:B・ケネディ/959万9869円
63位:幡地 隆寛/958万9016円
64位:黒木 紀至/954万2250円
65位:市原 弘大/910万4621円
66位:藤本 佳則/880万1916円

現時点でのシード権獲得ライン

67位:高 君宅/864万9173円
68位:砂川 公佑/846万4013円
69位:杉原 大河/802万7387円
70位:内藤 寛太郎/788万933円
71位:山田 大晟/776万6052円
72位:桂川 有人/769万2000円
73位:上井 邦浩/746万6520円
74位:植竹 勇太/740万7735円
75位:岡田 絃希/663万2801円
76位:篠 優希/636万7992円
77位:田中 章太郎/615万4850円
78位:時松 源藏/596万8135円
79位:伊藤 有志/595万4850円
80位:T・ペク/595万3491円

崖っぷちのベテラン勢!わずか16万円差の死闘

画像: 写真左から:高 君宅/砂川 公佑/杉原 大河/内藤 寛太郎(撮影/姉崎正、岡沢裕行)

写真左から:高 君宅/砂川 公佑/杉原 大河/内藤 寛太郎(撮影/姉崎正、岡沢裕行)

池田勇太の浮上とは裏腹に、今年のシード権争いはより一層過酷な状況を迎えている。

特に現在ボーダーライン上の66位にいる藤本佳則(獲得賞金880万1916円)は、まさにシード落ちの危機に瀕しており、その状況は非常に厳しいものとなる。藤本を除いたランキング67位から80位までの選手は「カシオワールドオープン」に出場するため、67位の高君宅が予選を通過した瞬間、藤本のシード権は困難なものとなってしまう。

今週の「カシオワールドオープン」は賞金配分も高額であり、単独9位で507万6000円を獲得できるため、ランキング60位台後半の竹安俊也、B・ケネディ、幡地隆寛といった選手たちも、決して油断ができない状況だ。

現在、賞金約800万円でわずかにシード圏外の杉原大河のような選手にとっては、シード獲得に向けて単独23位以上の成績が最低限求められる一発逆転をかけた戦いとなる。同様に77位の田中章太郎は単独17位で約273万円を得ることが可能。24年の同大会では、9アンダーの12位タイ、賞金総額は異なるものの389万円を獲得していることから、調子次第では十分にシード権に届く見込みだ。仮に今週12位に入賞した場合は399万6000円を得ることができ、総額1015万850円に達するため60位前後に付くことができる。

シード権は、プロの生命線であり、最終戦「カシオワールドオープン」で、意地が勝るのか、あるいは若手の勢いがシード権を奪い取るのか。わずか数万円差でプロの明暗が分かれる、この究極の攻防もカシオワールドオープンの醍醐味だ。

「ダンロップフェニックストーナメント」で勝利した塚田ようすけ選手!

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