
解説/堀越良和プロ
豊富な試打経験に裏打ちされた知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発に携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属
チッパーが使いづらい理由
❶人目が気になってしまう
お助けクラブ”であるが故に、周りから「ズルい」と思われたり、「ウェッジが苦手な人」といったレッテルを貼られるため、使いづらい
❷本当にやさしいのかわからない
“やさしいクラブ”としての認知度は高いものの、実際に使用したことがなければ、そのやさしさがどれほどなのかがわからない
お助けクラブの象徴的存在「チッパー」。グリーン周りの“チャックリ”や“トップ”などのミスをなくしてくれるクラブでおなじみだが、いざ自分が使うとなると、ためらってしまう。その理由の一つに「本当に簡単なのか」と思うゴルファーも多いだろう。
今回、堀越良和プロにチッパーについて教えてもらった。
「チッパーを検討するゴルファーの大半は、グリーン周りのアプローチに苦手意識を持つ方だと思います。でもなんかカッコ悪いと、周りの目を気にしたり、実際にチッパーを試す機会がなかったりと、なかなか購入に踏み切れない人がほとんどだと思います。しかし、グリーン周りのアプローチがやさしくなるチッパーは、アプローチが苦手な人の救世主であることは間違いないです」
では、チッパーとはどういったクラブなのか。
「クラブの特徴としては主に2つ。まずは、どのモデルもソールが広いということ。よって、手前からソールが芝に接地しても、しっかり滑るので、チャックリをするリスクが排除されます。2つ目がクラブが重いという点。クラブ重量が400後半~500g台半ば。パターの重量とほぼ変わらず、ウェッジに比べ、100g近く重いです。この重さが、いい意味で余計な動きを抑制してくれます。長さも34インチ前後と短いということもあり、パターを打つようなシンプルな動きで打つことができます」

チッパーは恥ずかしい?
さらに詳しくチッパーについて聞いてみた。
「チッパーは大きく分けて、パター型とウェッジ型のタイプに分類されます。パター型はパットのストロークのようなイメージで打てます。クラブの重さも長さもパターと同じくらいなので、同じように打っても全く違和感がありません。ただ、ウェッジで打つよりもランが多くなる傾向があります。ウェッジ型は、通常のアプローチの打ち方で性能が発揮されます。ウェッジよりクラブは短く、こちらも幅広なソールがチャックリを防いでくれて、芝の上を滑ってくれます。ウェッジほどのスピンはかかりませんが、パター型よりはランが出ません。日頃、グリーン周りのアプローチが苦手な方やイップス気味で悩まれているゴルファーは、劇的にアプローチが楽になる可能性がありますので、一度この機会にチッパーを試してみるといいと思います」
チッパーには2つのタイプがある
●パッティングのように打てる パター型
パターと同じような形状なので、パッティングと同じ感覚でチッパーを打ちたい人におすすめ。ロフトは36度前後でキャリーよりランが多く出る傾向があるので、よりパッティングと同じイメージで打ちやすく、ソールも広いのでチャックリする心配がない。

パター型
●アプローチのように打てる ウェッジ型
ヘッド形状がウェッジやアイアンに似ている。グリーン周りをウェッジ感覚で打ちたいゴルファーにおすすめだ。ロフトが40度台のモデルが多く、パター型よりスピンが入る傾向がある。見た目以上にソール幅が広く、こちらもチャックリの心配は無用だ。

ウェッジ型
パター型のチッパーの握り方は?
→「ショットと同じ握り方でストロークするイメージがおすすめです」(堀越プロ)
パター型のチッパーはパッティングのように打てることは間違いないが、1点注意が必要なのは握り方。パッティング時のグリップ(クロスハンドやクローグリップなど)で打つと、初速が出ずに、球が弱くなってしまい、大幅にショートしてしまう恐れがある。パター型のチッパーもウェッジと同じ握り方で打つことをおすすめしたい。

ショットと同じ握り方でOK
