連載85回目は、本試打企画12回目に掲載されている『R-ONE GOLF』の北澤亮一さんがオススメするカスタムクラブをご紹介。今回はBUCHI「T401」×「ダイナミックゴールド ツアーイシュー MID(95)」がオススメとのこと。
工房店主の北澤さんが特徴を語る
「『T401』が採用する素材は『S20C』。これは、炭素含有量が約0.20%と少なく、一般的に軟鉄鍛造モデルに使用されている『S25C』に比べ、わずかに軟らかさを感じさせる特性を持ちます。BUCHIというブランドの真骨頂は、『S15C』といった、よりソフトな素材を選べる別モデルも展開するなど、ゴルファーが求めるヘッドの形状や打感を素材レベルから選択できる点にあります。しかし、『T401』の打感はBUCHIラインナップの中ではやや硬めの設定です。過度に軟らかいヘッドでは、ミスヒット時のフィードバックが曖昧になりがちですが、『T401』はソリッドなコンタクト感が手にダイレクトに伝わり、芯に当たった感触はもちろん、ミスヒット時のシビアなフィードバックが明確に得られます。『軟らかい=良いヘッド』という単純な認識を覆し、操作性と打感を両立させた玄人好みの打感だと思います」

BUCHI製「T401」の7番(31度)トゥルーテンパー製、「ダイナミックゴールド ツアーイシュー MID 95」
「『T401』は、ロフト角7番で31度という"ちょいストロング"ですが、分類としてはアスリート系アイアンです。コンパクトなヘッド形状でありながら、ロフト設計に頼りすぎず、低重心化で球がしっかりと上がるよう設計されています。シャフトは『ダイナミックゴールド ツアーイシュー MID (95)』で、一般的なダイナミックゴールドが持つ粘り感を維持しつつ、インパクト付近でわずかに動く設計で球が上がりやすくなっています。動くと言っても先端剛性が非常に強いため、強振してもヘッドの挙動が安定し、左に巻くミス出にくくなっています。ソリッドな打感を損なうことなく、アスリートが求める『弾道の高さ』という武器を与えてくれるので、今まで以上にゴルフが楽になる組み合わせだと思います」
BUCHI「T401」×「ダイナミックゴールド ツアーイシュー MID(95)」の印象を堀越プロに聞いた
「今回の組み合わせはBUCHI『T401』×トゥルーテンパー『ダイナミックゴールド ツアーイシュー MID(95)』です。BUCHIは有名プロのウェッジ、アイアンを削っていることで有名な田淵正敏氏が手掛けるブランドで、ツアー現場などで培ったノウハウやこだわりを反映させたクラブが人気を集めています。構えた印象はシンプルな顔と、上級者が好みそうなストレートネックが特徴的ですね。『T401』は同ブランドの中でも中間的な位置づけとなり、7番アイアンのロフト角は31度となっています。ただし、アスリートモデルとされている『T22M』よりストロングロフト化、低重心化することで飛距離と球の上げやすさを両立させています。そしてリーディングエッジ側とトレーリングエッジ側を落すことで様々なライでも抜けが良くなるように工夫されています」

試打者/ほりこし・よしかず。試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。キング・オブ・試打。クレアゴルフフィールド所属
実際に試打を開始!
写真A/バックフェース側にソール部に向かう大きな溝をつくることで余剰重量を生み重心を下げている
「アドレスした際のヒールからネックへの繋がりが非常に綺麗で、据わりも抜群に良く構えた時のイメージが湧きやすいです。実際に打ってみるとロフトなりの距離が安定して出せますし、弾道が高く落下角は安定して45度を上回っています。見た目はマッスルバックを彷彿とさせる薄めのトップラインと小ぶりなヘッドですが、寛容性が非常に高く、直進性の高いアイアンです。一見マッスルバックのように見えますが、写真Aのようにバックフェース側を深く削って低重心化しているので、寛容性と見た目も両立しています」
※ドライバー換算HS42m/sの試打データ
●キャリー/179.7Y
●総飛距離/194.1Y
●スピン量/4141rpm
●落下角/42.1度
総評

「マッスルバックのような見た目ですが、ミスヒットにも強く寛容性のあるクラブでした」(堀越)
「BUCHI『T401』×トゥルーテンパー『ダイナミックゴールド ツアーイシュー MID(95)』の組み合わせは、高弾道を求めている方やさらに直進性を求める方にオススメできるクラブだと思います。小ぶりなヘッドやソールの工夫、そして重心を深めて寛容性を足すなど、痒いところに手が届くような設計が上級者から支持されている理由だと感じました。また、ヘッドスピードが落ちて従来のダイナミックゴールドでは球が上がりづらくなった方には、振り心地が近く高打ち出しを実現してくれるので非常にオススメできるシャフトだと思います。シャフト、ヘッドの特性を最大限に活かした素晴らしい組み合わせでした」
R-ONE GOLF
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設計士とこだわって作り上げた西海岸風の店内は、店主の性格と相まって一息つけるような空間となっている。ゴルフや仕事に悩んだときに是非訪れてほしい。
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THANKS/クレアゴルフフィールド





