こんにちは、上原彩子です。LET(欧州女子ツアー)は、先週のスペインでの最終戦「アンダルシア・コスタ・デル・ソル・オープン・デ・エスパーニャ」(レアル・グアダロルセ・クラブ・デ・ゴルフ)を終え、今シーズンの幕を閉じました。
最終戦のリーダーズボードに私の名前がなくて心配してくださっていた方もいるかもしれません。家族からも連絡がきたくらいですから。実は、インフルエンザに罹ってしまったようなんです。最終戦を楽しみに気合いを入れてスペインに渡ったんです。月曜日から練習する予定で朝起きたら何だかちょっとヤバい……熱を測ると39度を超えていて。
試合は木曜日からだから何とかしないといけないと、おとなしく寝ていたんです。でも全然下がらなくて。火曜日はプロアマがあったので、ツアーにキャンセルの連絡を入れたんです。レジストは初日の朝まで大丈夫ということを確認して、Airbnbで借りた宿でひたすら寝ていたんです。普通の風邪薬しかなくて病院も行けなくて。でも初日の朝になっても体温は変わらず。泣く泣く諦めました。本当に残念です。考えてみれば、今年はスペインの試合で2回とも体調を崩しました。方角がよくないのかな(笑)。

フランスからスペインに向かう彩子。このときは元気いっぱい気合い十分だったが……。「長く戦っているといろいろあります。悔しいけれど受け入れてます」
2日目くらいからようやく少しずつ体温も下がって、やっと外に出たら、いいお天気で空も海も青いし、緑も濃くてめちゃくちゃきれいでした。最終戦はマラガという美しいビーチと歴史がある都市の近くで行われたんです。欠場の書類提出をしなければならず、金曜日にコースへ行きました。本当はドクターの診断書が必要なんですけど、私は行ってなかった。でも、最終戦は予選落ちもないですし、わざわざ日本から来て休むなんてよほどのことと考えてもらえて、今回は診断書は必要ないと言ってもらえました。移動しながら皆がプレーしている姿を見てちょっと寂しくなったかな。昨年は後半戦つないでつないで滑り込んで出場した大会、結構ドライなので、下が硬いコンディションだったなあと思いながら。最終戦はしっかり伸ばして少しでも順位を上げて、と思っていたら、6人に抜かれてしまいました。もちろん、シードは確定していたので、それはよかったのですが。
それにしても、高熱でもお腹はすくんです(笑)。ただ、喉が痛くて飲み込むことが難しくなってしまって。でもトレーナーの寿乃さんがヘルプしてご飯も作ってくれたおかげで痩せずに済みました。本当に感謝しています。ずっと家にいたんですけど、回復して少し海には行ってみました。とてもきれいで沖縄の北谷みたいでしたね。最後だから試合後に少しスケジュールを取って、スペインを歩こうと思っていたけど、あまり時間がなくなってしまった。最後の日だけマラガに行ってみようかなと思っています。

マラガの隣、トレモノーリスの街。「ビーチが有名な観光地みたいです。少しだけ散歩できました。私の大好きな沖縄の北谷を思い出しました」
シンガポール出身のシャノン・タン
さて、今シーズンの総括はまた後日じっくりするとして、今回はポイントランク1位になったシャノン・タンについて少しだけご紹介します。シンガポール出身の21歳。昨年デビューしたんですけど、デビュー1戦目のケニアで初優勝、このときは本人もびっくりしていました。今年は6月のドイツで1勝、10月のインドで2勝目を挙げ逆転してランク1位に。そこから逃げ切った形です。
彼女とは練習ラウンドでも試合でもまだ一度も回ったことがないんですけど、スタッツを見ていたら、飛ぶけどフェアウェイキープ率も高いショットメーカーですよね。性格的にもめちゃくちゃいい子なんです。素朴で飾らない感じがします!

今回のスペイン遠征で食べた数少ないスペイン料理。「病み上がりのリハビリで散歩した後、パエリアを食べました。もっといろいろ食べたかったです」
女王争いは最後まですごかったんですよ。最終戦ではフランスのナスタシア・ナダウドが優勝、ランク3位に入りました。3位まではボーナスがあるので大きいですよね。トップ10の選手はアメリカのLPGAのQスクールのファイナルから出場できます。スケジュールがタイトになるので、トップ10を確定した選手で最終戦に出ていない選手も何人かいました。
シャノンもこれから挑戦すると言っていましたね。もちろん、Qスクールは最後までわからない。昨年の女王もファイナルで落ちてしまいましたから。でもヨーロッパツアーには力のある選手はたくさんいるので、きっとまた何人か上位にいくと思っています。

今シーズンのポイントランク1位、シャノン・タン。5歳で父の影響でゴルフを始め、14歳でオーストラリアに移住した21歳。彩子の印象は「とっても素朴でいい子!」(LETホームぺージより)
写真/本人提供




