ラウンド中、プレーの調子が良くない人が不機嫌になり、黙りこくったりしだすことで、組全体のムードが悪くなった経験があるという人は少なくないだろう。今日発売の「週刊ゴルフダイジェスト」12月23日号では、不機嫌が周囲に与える悪影響やその対策について、元プロ野球審判でメンタルアドバイザーでもある丹波幸一氏に解決法を聞いている。「みんなのゴルフダイジェスト」でもその一部を紹介する。

教えてくれる人・丹波幸一氏

1970 年生まれ。兵庫県西宮市出身。元日本野球機構 プロ野球審判員(1993年~2022年、通算出場2153 試合)。2012WBC、東京2020オリンピックでも審判を務めた。帝王學STR、個性心理學認定講師・認定アドバイザー。プロ・アマ問わずゴルファーへのメンタル指導も多い。

「ゴルフは空気のスポーツ。他人のメンタルが伝わりやすい」(丹波)

「フキハラ」とは
「不機嫌ハラスメント」の略。不機嫌な態度をとることで、相手に不快な思いをさせたり、過剰に気を使わせたり、精神的な苦痛を与えること。本人が意図している/していないにかかわらず起こり得る。『フキハラの正体 なぜ、あの人の不機嫌に振り回されるのか?』(満倉靖恵著、ディスカバー携書)より

フキハラ(不機嫌ハラスメント)は「プロの試合でもあります。ゴルフは個人競技ではありますが、メンタルが空気に乗る“空気のスポーツ”でもあるからです」とメンタルアドバイザーの丹波幸一氏。同伴競技者の不機嫌が他の人の調子に影響を与えることは大いにあり得ると言う。

理由は3つ。「まず、1つ目。人間は、無意識に相手の表情やため息などの仕草をまねてしまうことがあります」(丹波氏、以下同)。同伴者のプレーの乱れを、無意識にまねてしまい、ほかの人も不調になってしまうのだ。

2つ目は「ゴルフがすべて状況判断のスポーツだということ。心の乱れが判断に直結してしまうんです」。これで、普段ならしないような悪手が出てしまう。3つ目は「同伴者のプレーのリズムが乱れると自身のプレーのリズム、テンポまで奪われてしまうこと。この“空気の乱れ”が一番大きな理由かもしれないです」。もちろん逆のことも起こり得て、誰かの好調につられて組全体の雰囲気が良くなり、スコアにつながるケースもある。「しかし、私が見ている分では、伝染しやすいのは不機嫌のほうのように思います。それも含め“ゴルフはメンタル”と言われるゆえんだと思います」。実際に、ネガティブな感情のほうが他人に伝わりやすいという脳の研究結果もあるくらいだ。

そして「フキハラ」の恐ろしいところは、被害を受けるだけでなく、無意識のうちに“加害者”になってしまうことがあること。それを防ぐために大切なのがセルフマネジメント。自分自身が不機嫌にならないため……。うまく自分のご機嫌を取る方法は週刊ゴルフダイジェスト、またはMyゴルフダイジェストで紹介している。

様々なところで起きているフキハラエピソード集!

画像: 様々なところで起きているフキハラエピソード集!

・「うるさい」の一言で場が凍り付いた

その日は詰まっていてティーイングエリア付近で“待ち”になることが何回かあったのですが、後ろの組の2人の女性が大きめの声でぺちゃくちゃしゃべっていました。内容はゴルフのことで、私はさほど気にならなかったのですが、私の同伴者の男性が激怒し「うるさいっ」と怒鳴りつけました。私たち組も、後ろの組もシーン。怒鳴った男性はOBを連発しだしてさらにイライラ、不機嫌な様子。私はカートの運転でカックンというような止まり方をしてしまって、それだけでドキドキ。楽しくなかったしスコアもボロボロ。ハウス内で後ろの組の人と会って気まずい雰囲気になりました。高いお金払ってコレかあと悲しくなりました。(40代女性、神奈川県)

・妻への「機嫌悪いの?」で1週間口利いてもらえず

帰宅しても妻が口を利いてくれず、明らかに機嫌が悪い。どうしたものかと「機嫌が悪いの?何 かあった?」と声をかけたら、それが地雷。「そんなんじゃない」と鬼の形相で切り返された後、無言モードに。1週間はろくに話してくれませんでした。結局不機嫌な理由もわからず、帰宅が苦痛でした。こんなことなら声がけするんじゃなかった。(50代男性、愛知県)

・一人の機嫌の良し悪しに社内が振り回される

会社のベテラン女性で、いつも不機嫌な人がいます。“への字口”でしょっちゅうため息をついて、ぶっきらぼうなしゃべり方。あいさつもしません。でも、たまに機嫌がいい日もあって不思議。朝起きて「今日はあの人、機嫌がいいといいなあ」と思いながら出勤します。こんなことで気をすり減らしてばからしい。(30代女性、東京都)

ILLUST/Koki Hashimoto
※週刊ゴルフダイジェスト12月23日号「ゴルファーのためのフキハラ講座」より

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不機嫌ハラスメント(フキハラ)は誰もが被害者、あるいは無意識の加害者になる可能性があるため、セルフマネジメントが不可欠ということだった。この続きでは、元プロ野球審判が教える、同伴者の不機嫌に振り回されないための具体的な「心の切り替えスイッチ」技術を公開。「4・7・8」の呼吸法で感情を整え、視線で意識を未来に向けるセルフマネジメント3箇条を学び、ラウンドも日常もご機嫌で過ごす術を紹介している。続きはMyゴルフダイジェスト、または週刊ゴルフダイジェスト12月23日号をチェック!

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