ただでさえバンカーが苦手なのに、さらにアゴが高いと絶望感を抱くゴルファーも多いだろう。難しい“アゴ高”バンカーから一発必脱の打ち方をプロに聞いた!
画像: プロでも難しい「アゴ高バンカー」。このピンチな状況から一発で脱出するために押さえておきたい4つのポイント

解説/小林大介プロ
日夜、世界のトッププロのスウィングを研究し、アマチュアへの指導経験も豊富。湘南衣笠ゴルフ所属

アマチュアゴルファーの大敵、バンカー。アマチュアであれば、誰もが脱出に苦労をした経験があるだろうが、アゴが高いバンカーともなると、さらにハードルが高くなる。アマチュアへの指導経験豊富な小林大介プロは、アゴ高バンカーの脱出方法について聞いた。

「コースにもよりますが、大人の身長くらいから2メートル以上の高さがあるバンカーは難しいです
よね。そうしたアゴ高バンカーの傾向としては、フェアウェイからグリーンにかけて上り傾斜のホールで出合うことが多いです。上り傾斜での左足上がりのショットで想定より球が高く上がってしまい、飛距離をロスすることによって、グリーンまで届かず、アゴの高いバンカーにつかまってしまう。本来であれば、寄せワンを狙いたい位置にアゴ高バンカーがあることも多く、入ってしまうと精神的なダメージも大きいです」

アゴ高バンカーは、やはり状況としてはかなり難しいのだろうか。

「そうですね、人の身長以上に球の高さを出さなければならないので、バンカーのなかでも難易度が高いシチュエーションと言わざるを得ません。加えて、高さと同時に必要な距離も出さなければならない。これも難しい要因になります。また、アゴ高バンカーに入ってしまった際、そのアゴの高さから来る心理的なプレッシャーも重なり、ミスショットを誘発します」

アゴ高バンカーが難しい理由

①普段以上に球を上げなければいけない
バンカーが難しい理由は、球を上げなければならないからだが、ひざや腰の高さよりもさらに高いアゴを越えなければならないので、必然的に難易度が高くなる。

②高いアゴへの心理的プレッシャー
アゴ高バンカーに入ってしまった場合、その威圧感から精神的にも大きなプレッシャーがかかってくる。襲ってくる不安から普段の技術を発揮できず、ミスショットをしてしまう。

では、アゴ高バンカーに入ってしまった場合の考え方を聞いてみよう。

「ツアープロでも時にはアゴ高バンカーに苦しみ、スコアを崩してしまう選手もいるくらいなので、
アマチュアにとってはさらに難易度が高くなります。日頃のラウンド数も限られ、普段なかなかバン
カーの練習もできない。まさに一発勝負。アマチュアがアゴ高バンカーからピンに寄せるというのは、至難の業です。アゴ高バンカーに入ったら絶対に“脱出することを最優先”に考えましょう。
 
脱出ができないと、また同じ状況で打つことになり、“進まない一打”になってしまいます。仮にホームランで大きくグリーンをオーバーしたり、距離の長いパッティングが残ってしまったとしても、脱出できずに改めてバンカーショットするより、圧倒的に次がラクです。とにかく、アゴ高バンカーに入ってしまった場合は、脱出することを優先する“覚悟”を持つことが大変重要です」

割り切った選択とは?

「オーバーしても、脱出が最優先」

アゴ高バンカーからは脱出を最優先に考えるべきだ。仮にグリーンをオーバーしたとしても、もう一度バンカーから高いアゴを越えなければならない場合と比べたら、どちらがラクかは明らかだろう。

画像: 脱出するだけでも難しいアゴ高バンカー。球を上げなければならない技術に加え、そびえたつアゴがプレッシャーを与える

脱出するだけでも難しいアゴ高バンカー。球を上げなければならない技術に加え、そびえたつアゴがプレッシャーを与える

アマチュアがやりがちなアゴ高バンカーの絶対NG行為!
「球を上げようとして、右肩を下げてしまう」(小林プロ)

「高いアゴを目の前にした場合、球を上げなければならない意識が強くなりすぎて、右肩が下がってしまう方が多いですが、これは絶対に避けなければいけません。右肩が下がってしまうと、砂を過剰に取ってしまい、球が飛ばなくなってしまうからです。高いアゴを越えるには、球を上げるのと同時に、前に飛ばさなければならないことを頭に入れましょう」

画像: 右肩は下げると砂を取る量が多くなりすぎて球を飛ばせない

右肩は下げると砂を取る量が多くなりすぎて球を飛ばせない

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