「高く上げるとボールは飛ばない。
だから”勇気”を持って振り抜こう!」(小林プロ)
ではいよいよ小林プロに、アゴ高バンカーを脱出するための方法を聞いてみた。
「ポイントはズバリ4つです。まず1つ目が、お尻を下げて、重心を低くすること。スタンスはオープンに構えて、球の位置は左足側に置き、フェースを開いてアドレスします。お尻を下げると、重心が低くなります。ヘッドが確実に砂の中に入り込み、球が上がりやすくなります。
2つ目がやや左足体重にすることです。体重配分は6対4か7対3くらい。右足に体重がかかると、球は上がっても、飛距離が出ず、脱出できない可能性が高いです。
3つ目が砂を薄く長く取ることです。よく、ボールの手前3~5センチほどにヘッドを鋭角に入れ
るという話を聞きますが、そうするとヘッドが砂に深く潜ってしまい、飛距離が出なくなります。ボールの手前10~15センチくらいから緩やかなヘッド軌道で、薄く長く砂を取る意識で振りましょう」
続いて、4つ目のポイントは?
「高く上げて飛ばさないといけないので、ホームランを怖がってしまう方も多いと思います。躊躇や恐れを抱えながらのバンカーショットで一番やりがちなのが、インパクトで緩んでしまうこと。アゴ高バンカーの場合、ある程度のヘッドスピードも必要です。前述の3つのポイントを守り、あとは勇気を持って強く振り抜いてください。また、硬いライのアゴ高バンカーは、さらに難易度が高いです。ヘッドが砂に潜りにくくバウンスが弾かれる可能性が高いので、お尻を少し上げて、ヘッド軌道をカット気味にして打ちましょう。バウンスが弾かれにくく、球も上がりやすくなります」
さらに詳しく! アゴ高バンカーから脱出する「4つのポイント」

難易度が高いアゴ高バンカーだが、小林プロが解説してくれた脱出のための4つのポイントを実行すれば、一発必脱は難しくない
ポイント① お尻を下げてアドレス
球を上げなければならないチュエーションで重要なのが、お尻を下げてアドレスすること。重心が低くなり、手の位置が下がりやすい。ヘッドが砂に潜りやすくなり、砂ごとボールが飛んでくれる。加えて、オープンスタンスでボールは左足の前くらい。手の位置が下がる分、少しボールから離れて立ってみるといいだろう。

少しボールから離れて立つ
ポイント② やや左足体重で構える
アゴ高バンカーのシチュエーションでは球を上げなければならないのと同時に、球を前に飛ばさなければならない。その対策がやや左足体重。左足に壁を作るイメージで体重配分は6対4か7対3くらいがおすすめ。9対1などのように左足に体重を掛け過ぎるとかえって球が上がらなくなるので、注意しよう。

やや左足体重がポイント
ポイント③ 砂は薄く長く取る
ヘッドが入る位置として、ボールの手前10 ~15センチほどの辺りから薄く長く砂を取ろう。ボールの手前数センチにヘッドを入れた場合、砂を爆発させ過ぎて飛ばなくなったり、誤ってクリーンにボールをヒットしてしまうホームランの危険性もある。ホームラン回避のためにも、手前から緩やかな軌道でショットするといいだろう。

ボールのかなり手前から緩やかにヘッドを入れ、薄く長く砂を取る
ポイント④ 勇気を持って振り抜く
4つのポイントで小林プロが最重要と語気を強めるのが、勇気を持って振り抜くこと。どうしても、強く振り切ることでホームランが頭をよぎってしまう人もいるだろうが、迷いは要らない。1 ~ 3のポイントを確実に実行し、あとは思い切り振り抜けば、脱出できるだろう。

一番大事なのは緩まず振り抜く勇気!
練習場でもできるアゴ高バンカー脱出のためのドリル
ティーアップしたボールをあえて“ダルマ落とし”
練習場のティーにボールを乗せて、ティーを横から切るように振り抜こう。緩やかなヘッド軌道でクリーンにティーをとらえられたら、ボールはダルマ落としのように“ストン”と落ちる。実施する場合は高めのドライバー用のティーがおすすめ(安全面に十分配慮してください)。

あえてのだるま落としの状況を作る
PHOTO/ Yasuo Masuda THANKS /葉山国際CC


