
竹内大‐Dai Takeuchi 1996年生まれ、埼玉県出身。日本大学卒業
GD いわゆるエリートコースを歩んできた竹内選手ですが、ゴルフを始めたのは何歳だったんですか?
竹内 12歳の時です。お兄ちゃんの習い事で練習場のゴルフスクールについて行ったのがきっかけでした。当時はサッカーと水泳を習い事でやっていましたけど、ゴルフは楽しかったすね。
GD 中学は地元ですか?
竹内 中学は地元でゴルフ部がなかったので、個人活動でした。だから帰宅部ということになりますね。
GD そこから埼玉栄に進学したというのは当然ゴルフのためですよね?
竹内 はい。中学3年の時にプロを目指そうと自分の中では決めていたので栄に入った時にはもう。ただ、高校で初めてゴルフ部っていうものに入って、みんな半端なく上手くて驚きでした。
GD そんな感覚がありながらプロを目指そうと?
竹内 元々勝負事が好きだったというのもありますが、負けたくないって思ったんでしょうね。勝ちてぇって気持ちになったことを覚えています。正直ゴルフのレベルはレギュラーには入れるかどうかっていう感じでしたけど(笑)
GD 栄で同期というと誰かプロでいますか?
竹内 勝俣陵です。高校からずっと一緒なんです。この間のファイナルQTも終わってから一番に電話がかかってきました。みんな、おめでとうって言ってくれるんですけど、陵くんだけには「あと1打なんとかならなかったの?」って厳しい言葉をもらいました(笑)。でも、陵くんの活躍は本当に素直に嬉しくて。だから、彼がシード権を獲ったときが自分の中でもプロとしての何か気持ちの変化というか、ターニングポイントになったような気がしています。

負けたくないと挑んだファイナルQTで結果を出した竹内
GD それは具体的にどういう心境?
竹内 やめようか、続けようかと考えるほど、「やばい」って思いました。陵くんが初シードを決めた22年「三井住友VISA太平洋マスターズ」へは優勝しそうだったので現場まで応援に行っていて、目の前でそれを感じたというのもあるかもしれませんね。彼がどれだけ練習してきたかを見てきていたので、本当に勝って欲しいって思っていましたし、同時に、人のことを喜んでいる場合か!? とも思いました(笑)。悔しい気持ちよりも嬉しい気持ちが大きかったので、プロに向いていなのかもって思いました。
GD でも、来年はとりあえず前半戦は同じ舞台で戦えますね。
竹内 そうですね。彼はきっと来年もスッと勝ちそうな気がするので、それよりも先に勝ちたいですね。この2年くらいはなかなか思うようなゴルフができていませんでした。ほとんどが陵くんなんですが、周りの選手らと比べられるし、自分でも比べちゃうし、から回りしているなという感覚がありました。でも、比べることで空回りしていることを自分で気づけたのは良かったと思っています。あとは去年は1打の重みを本当に感じた1年だったので、それも踏まえて今年のファイナルQTは踏ん張れたと思います。まずは来年はシード権獲得が目標ですが、勝ちにも拘りたいと思います。
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2024年度のファイナルQTで竹内選手は通算5アンダーの42位タイでした。同じ通算5アンダーでカウントバックで41位だった福住修選手とは出場できる試合が4試合ほどの差があり、言い換えるとその4試合を活かした福住選手は今季初シードを獲得しました。勝俣選手から言われた「あと1打」にはそんな提言が込められていたのかもしれません。盟友からの叱咤激励を胸に、来年はレギュラツアー、ACNツアーで結果を残してくれることでしょう。
文/出島正登
写真/岡沢裕行


