12月29日から計7回にわたってお届けするYouTuber原田修平コーチの短期集中連載。スライス対策の練習を重ねた場合、スライスがすんなり消える人もいるが、チーピンが出はじめる人が少なからずいる。だが心配無用。原田コーチ曰く「このチーピンは上手くなっている過程で出るもの」だからだ。とはいえ一発が大きいダメージを残すチーピンだけに、それはそれで怖い。ということで、今回は発展途上の段階で出現しがちな「チーピン対策」を指南してもらおう。
画像: 【もうドライバーで悩まない!・短期集中連載②】「チーピン」は発展途上のサイン!? 左手親指とクラブヘッドの“置き方”でフック回転を薄めていこう〈人気YouTuber 原田修平 直伝レッスン〉

株式会社 HARADAGOLF 代表取締役:原田修平

指導歴25年以上、アマチュア専門のレッスンプロとして活動し、17万人以上の登録者を誇る人気YouTuber。その持ち味は163cmという小柄な体格でも飛距離を伸ばせる抜群の技術力や、ポイントを押さえたわかりやすいレッスンが人気。またLDJ(ロングドライバーズ オブ ジャパン)日本大会出場経験もある。

発展途上の「チーピン」は怖くない! スウィングを壊さず直す2つの特効薬

スライスを克服する過程で、多くのゴルファーが直面するのが「チーピン(極端な引っかけ)」という壁です。右へのミスが消えた途端、今度は弾丸ライナーで左へ飛んでいく球にパニックになり、せっかく良くなったスウィングをいじり壊してしまうアマチュアは少なくありません。しかし、原田修平コーチは「スウィングはそのままでいい。対策は極めてシンプルです」と断言します。その具体的な2つのアプローチを深掘りしていきましょう。

【対策1】グリップの微調整:「左手親指」をくっつけて、右手をウィーク気味に握る

画像: 写真左:右手が下から握り過ぎてしまっている 写真右:右手ウィークでスライスの要素を加えた状態

写真左:右手が下から握り過ぎてしまっている
写真右:右手ウィークでスライスの要素を加えた状態

まず疑うべきはグリップの形です。チーピンに悩む人の多くは、左手を深くかぶせた「ストロング」で握り、さらに右手を下から添えるように握る傾向があります。「この形だと、インパクトでフェースが極端にかぶりやすく、物理的にチーピンが出やすい条件が整っています。また、これを嫌がって無理にスクエアに当てようとすると、手が体から離れて前に出てしまい、今度はテンプラなどの別のミスを誘発します」(原田コーチ・以下同)。

かといって、長年慣れ親しんだ左手の握り心地を根本から変えるのは至難の業。しかし、原田コーチは「左手はそのままでいい」という。

画像: 左手の親指を中央に寄せるだけでスライスの要素が生まれるという

左手の親指を中央に寄せるだけでスライスの要素が生まれるという

「左手の握り方は容易に変えられません。そこで、左手はストロングのままで構わないので、『親指だけを少し内側(中心寄り)』に寄せてみてください。 その上で、右手を少しウィーク(上からかぶせる方向)に握り直すのです」

このわずかな調整だけで、ダウンスウィングでクラブが極端に寝る動きが抑制されるという。クラブが適度に「立った」状態で下りてくるため、スウィングプレーンが劇的に安定し、左への巻き込みを防げるようになります。左手親指の位置という、ピンポイントな意識だけでアジャストできるため、コースでもすぐに実践可能だ。

【対策2】セットアップの変更:フェースをボールに「くっつける」

画像: スライスとは逆に、助走距離を少なくしてボールの真後ろにヘッドを置いて打ってみよう(写真上)

スライスとは逆に、助走距離を少なくしてボールの真後ろにヘッドを置いて打ってみよう(写真上)

グリップに問題がない場合の対策も非常にシンプルだという原田コーチ。

「アドレス時、クラブフェースをボールに極限まで近づけてセットします。これだけで、インパクト時のヘッドの高さや入射角のイメージがガラリと変わります」

かつてスライス対策では、ボールをつかまえるための「助走距離」を作るためにヘッドをボールから離してセットするという話だったが、チーピンが出始めた段階ではその余白は不要になるという。

「ティーアップが高いほど、実はヘッドを離して置いたほうが、ヘッドが上昇軌道(アッパー)でボールをとらえるイメージが出やすくなります。しかし、チーピンが出るフェーズに入ったら、その『つかまりすぎる動き』を抑えるために、あえて余白を消してボールの真後ろにセットする。これが効果的なんです」

チーピンは「上達の証」ととらえる

「スライスが影を潜めてチーピンが出てきたら、スウィングそのものはいじらない」というのが原田コーチからのアドバイス。右へ飛んでいた球が左へ行き始めるのは、フェースでボールをつかまえられるようになった「発展途上」の証。ここでスウィングの核となる部分に手をつけてしまうと、また元のスライス地獄に逆戻りしたり、修復不可能な迷宮に入り込んだりしてしまうので要注意だ。

スウィングを変えるのではなく、グリップの指1本や、アドレスでヘッドとボールとの距離を変える。こうした「外枠のアジャスト」だけで、厄介なチーピンは驚くほど簡単に直ることも珍しくないのだ。

TEXT/Kazuya Kishi PHOTO/Hiroshi Yatabe

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https://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17811766

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