日本ツアー「54%」の男が、大一番で「86%」を記録した衝撃

日本人で唯一週末に進む小西たかのり。香妻陣一朗、浅地洋佑に続く日本人3人目のLIVゴルファーが生まれるか!?(写真は25年ロピアフジサンケイクラシック、撮影/姉崎正)
上位20位タイまでという狭き門をくぐり抜けた小西。その勝因は、普段の姿を知る者ほど驚くべきものだった。
2025年の国内男子ツアーにおいて、小西のフェアウェイキープ率は54.57%(ランク72位)。決してティーショットを得意とするタイプではない。 しかし、この日の小西は別人のようだった。記録したフェアウェイキープ率は驚異の86%(12/14)。これは全体2位タイというトップクラスの数字だ。
単独首位(5アンダー)で通過したワン・ジョンフン(韓国)のフェアウェイキープ率が全体1位の93%(13/14)だったことを踏まえると、このブラックダイヤモンドランチ攻略の絶対条件は「ティーショット」にあった。 普段はサンドセーブ(国内ランク19位)やイーグル奪取(国内ランク28位)など、荒れ球をカバーする派手なゴルフも魅力の小西だが、この日はマネジメントを完遂したということだろう。
「初日組」の勢い vs 「免除組」の底力
リーダーボードの上位を見ると、興味深い傾向が浮かび上がる。 2位タイ(4アンダー)には、初日を「64」でトップ通過したリチャード・T・リー(カナダ)とサドム・ケーオカンジャナ(タイ)の初日組2名に加え、この日から出場のビョルン・ヘルグレン(スウェーデン)が食い込んだ。
5位タイまでの上位13名の顔ぶれを見ると、初日組が8名、免除組が5名(小西含む)と、連戦の疲労があるはずの初日組が過半数を占めている。
初日から好調を維持するリチャード・T・リーは、その理由をこう語る。
「練習ラウンドを3回したけど、昨日の初日でグリーンのことをより深く知ることができた。どこに外してはいけないか、実戦で得た情報が今日のアドバンテージになったよ」
また、リーはこの日2つのイーグルを奪っており、「昨日の6アンダーはリセットされたけど、コースの攻め方は体が覚えていた」ともコメント。
免除組がいきなりの“一発勝負”で試合勘のチューニングに苦戦する中、初日組は過酷なサバイバルを一度潜り抜けた「実戦感覚」と「コースへの慣れ」を武器に、スコアを伸ばしたと言えるだろう。
「1日18ホールだからアグレッシブになれた」

2日目を首位で通過したワン・ジョンフン。スコアはリセットされるが気持ちよく週末を迎える(Photo by Mike Stobe/LIV Golf)
そんな“初日組優勢”の流れの中で、シード組の意地を見せたのが首位のワン・ジョンフンだ。
「去年は最終日が1日で36ホールの長丁場だったけど、今年は3日目と最終日に18ホールずつ。体力的にも楽だし、1日ごとの勝負になるからこそ、よりアグレッシブに攻めることができた」と語るワンは、その言葉通り攻撃的なゴルフと正確なショット(FWキープ率93%!)を噛み合わせ、見事に首位通過を果たした。
運命の週末は「残り36ホール」の戦い
残るは週末の2日間、計36ホールの戦い。ここでスコアは再びリセットされる。これまでの順位は関係ない。
昨年までは最終日に36ホールを一気に行う過酷なフォーマットだったが、今年はレギュレーションが変更され、3日目に18ホール、最終日に18ホールを行う形式となった。
土曜、日曜の2日間を走り抜けた上位3名だけが、LIVゴルフという夢の舞台への切符を手にする。
マネジメントが功を奏した小西たかのり。 「初日組」の勢いか、「免除組」の底力か。日本から唯一生き残った小西が、世界への扉をこじ開ける瞬間に期待したい。
※2026年1月10日12時18分、一部加筆修正しました。
