「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はドライバーの兄弟モデルが増えた理由と選び方について考察してもらった。
画像: ドライバーの兄弟モデル、どれをどう選べばいい?(写真はイメージ)

ドライバーの兄弟モデル、どれをどう選べばいい?(写真はイメージ)

ミスしたときにどういう球が出るかが大切

みんゴル取材班(以下、み):10年くらい前の月刊ゴルフダイジェストを眺めていたら、キャロウェイの「GBBエピック」はスタンダードとサブゼロ、テーラーメイドも「M1」と「M2」の2モデルしかなく、それが当たり前でした。ところがいまやテーラーメイド「Qi4D」、タイトリスト「GT」、コブラ「OPTM」が4兄弟、キャロウェイ「QUANTUM」やピン「G440」は5兄弟になっています。外ブラのドライバーのモデル数がこんなに増えたのはなぜでしょう?

宮城:昔は、どのメーカーのフラッグシップブランドもコア層のゴルファーをターゲットにしていました。だからスタンダードとアスリート向けの2種類で事足りていました。いち早く、ふつうのMAX、ヘッドスピードの速くてスピンの多い人向きのLST、球がつかまらない人向けのSFTの3兄弟を出してきたのはピンですが、いまはどこのメーカーもすべてのゴルファーを囲いに来ています。前回お話ししたウェッジのグラインドと同じで、たくさん用意しておけばどれかが合うでしょうというスタンスです。といっても大前提として4つも5つも出すにはメーカーとして体力が必要です。金型を4つも5つも作るのはけっこうなコストがかかります。

み:だから外ブラが目立つわけですね。日本メーカーで4兄弟は「スリクソンZXi」くらいです。ブリヂストンも昔の「ツアーステージX-DRIVE」では毎回、体積や形状違いのモデルを5兄弟くらいで出していました。

宮城:ブリヂストンがトッププロを大勢抱えていた時代ですね。いろいろなプロの要望を聞いてプロトタイプを作っていたので、せっかく金型を起こすなら一般ゴルファーにも売ってしまおうという発想だったのでしょう。キャロウェイのトリプルダイヤモンドも昔でいえばプロトタイプのカテゴリーに入るモデルでした。

み:自分も含め日本人ゴルファーは限定とかプロトタイプに弱いですから。トリプルダイヤモンドなんて名前からしてカッコいい。

宮城:アマチュアはトリプルダイヤモンドを欲しがるけれど、PGAツアーのプロはけっこうふつうのMAXを使っていたりします。

み:なぜですか?

宮城:芯を外しても曲がらないし、球が上がるからです。つまり飛ばすには一番効率がいいわけです。

み:なるほど。兄弟の中から自分に合うモデルを選ぶポイントを教えてください。

宮城:選択肢があまりに少ないのも困りますが、数が多くなるほど難しくなるのも確かです。ドローバイアスと軽量モデルは設計意図が明確なので選びやすいはずですが、問題はスタンダードモデルとロースピンモデルです。最近のスタンダードモデルはけっこうスピンが少なく、アマチュアにはロースピンモデルとの違いが分かりづらくなっています。それを踏まえて迷ったら球の上がるモデルを選んだほうがいいでしょう。ベストショットの飛距離を比べてもあまり意味がありません。たまたま出ただけのいい当たりは自分の実力と考えてはいけません。それよりもミスしたときにどういう球が出るかを見極めることが大切です。

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