
富山県の県指定天然記念物である「ハッチョウトンボ」。オスの成虫でも20ミリほどしかない
公財・日本自然保護協会と協働し、まずは富山県の県指定天然記念物である「ハッチョウトンボ」の生息地再生に取り組む予定。世界最小のトンボとして知られるハッチョウトンボの発生・生息地は、同ゴルフ場の敷地内の湿地にあったが、湿地の樹林化・乾燥化が進み、2024年の調査ではその生息が確認できなかったという。
そこで同社は、富山県教育委員会や小矢部市教育委員会の協力を得て、湿地環境の再生に向けた活動を開始した。今後、複数年をかけて湿地を再生し、同トンボの再定着を目指すとしている。
さらに同社は、天然記念物指定地を含む敷地を、国が生物多様性保全への取り組みを認定する「自然共生サイト」へ登録することを視野に入れているという。
「当社は生物多様性の保全と回復を環境重要課題のひとつとして掲げています。ハッチョウトンボの生息できる環境の再生を実現し、さらにこの活動を周辺地域や小矢部市全体のさらなる活動へつなげていきたいと考えています」(同社代表取締役社長CEO・渡辺貴生氏)
つまり、このプロジェクトの目指すところはゴルフ場の敷地内にとどまらず、同社の創業地である小矢部市全体のネイチャーポジティブへの貢献というところだろう。
同ゴルフ場は1991年開場。設計は全国に70コース以上を設計した奇才・加藤俊輔。設計理念は「自然で得たものは自然に帰す」。リンクスに憧憬し、自然の地形を生かした作風。同ゴルフ場は俯ふ瞰かんすると蝶が羽を広げた形にレイアウトされている。遊び心ゆえだろう。
ハッチョウトンボの生息地再生というのも、加藤の設計理念に則していると言えなくもない。同社創業の地に地域貢献の旗を掲げたのはうなずける話だ。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年2月3日号「バック9」より
