ローリー・マキロイが「AT&T ぺブルビーチ プロアマ」の公式会見で、26年のDPワールドツアー初戦から投入した「やさしい」キャビティを手放し、再びマッスルバックへ戻したと話した。その理由とは? 新ボールとの相乗効果やマスターズ優勝クラブの裏話とともに、彼のこだわりに迫る。
画像: AT&T ペブルビーチ プロアマの会見で自身のギアについて話すマキロイ(撮影/岩本芳弘)

AT&T ペブルビーチ プロアマの会見で自身のギアについて話すマキロイ(撮影/岩本芳弘)

ディフェンディングチャンピオンとして「AT&Tペブルビーチプロアマ」に戻ってきたローリー・マキロイのバッグには、見慣れた“相棒”が帰ってきていた。今年のDPワールドツアー開幕からの2戦、彼のアイアンはこれまでのマッスルバックではなく、キャビティバックの「P・7CB」だった。ドバイでの「3位」「33位」という成績、そして本人も認める「寛容性の高さ」を考えれば、そのまま継続しても不思議ではない。

だが、PGAツアーのシーズン初戦、マキロイは再び慣れ親しんだマッスルバックを握る決断を下した。

なぜ、成功した「やさしさ」を手放すのか。そこには世界王者ならではの、繊細すぎるほどの「フィーリング」へのこだわりがあった。

「P・7CB」の実験と成果

ことの発端は昨年末のドバイだ。5番アイアンのミスヒットで大きくショートした経験から、マキロイはオフの間にキャビティアイアンのテストを重ねた。

「ミスヒットした時の距離のバラつきが抑えられる」

その言葉通り、年明けのドバイ招待ではパーオン率も安定し、キャビティの恩恵を確かに感じていたはずだ。実際、ドバイでの彼は新アイアンに「助けられた」と語っている。

「右へのバイアス」とプレッシャー下での違和感

しかし、ペブルビーチの会見で彼は、マッスルバックへ回帰した理由を明かした。

「キャビティバックには、少し右に出るバイアス(傾向)があったんだ。ブレードの時と同じスウィングをしても、右へ逃げていく球が出た」

左へのミスを嫌うマキロイにとって、右へ逃げる球をフェースターン(リリース)でつかまえにいくスウィングは理論上は悪くないように思える。だが、実戦では違った。

「プレッシャーのかかる優勝争いの中で、長年慣れ親しんだ『フェースを返さない』感覚から、リリースする感覚へと変えるのは、僕が求めていたフィーリングとは違ったんだ」

マキロイが求めたのは、極限状態で信じ切れる「いつもの感覚」。それが、慣れ親しんだマッスルバックだったのだ。

新しいボールとの相乗効果

アイアンは戻したが、新しいボールへの信頼は揺るがない。

「すべての番手で打ち出し角が1度低くなり、スピン量はこれまで通り。以前よりも少しコンプレッション(硬さ)が高くなっていて、ドライバーやウッドでのスピードが上がっているんだ」

慣れ親しんだマッスルバックの操作性と、初速がアップした新しいボール。この組み合わせこそが、マキロイが導き出した「2026年仕様」の最適解なのだろう。

余談だが、今回のアイアンセットにはちょっとした名誉なエピソードがある。実は昨年のマスターズを制覇した際、彼のバッグから7番アイアンが消えていたのだ。

「月曜日に気づいたんだけど、キャディのショーンが僕に内緒で、オーガスタ(・ナショナルGC)のコレクションに寄贈していたんだよ。まあ、もし一本寄贈するならあの7番だと思っていたから構わないんだけどね」と彼は笑う。

もちろん、今週のバッグには新しい7番アイアンが収まっている。

数々の栄光が詰まったマッスルバック。その鋭い切れ味が、ペブルビーチの海風を切り裂く準備は整った。


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