
インターナショナルシリーズ2位の資格でLIVゴルフに挑戦している浅地洋佑(撮影/増田保雄)
神がかったショートゲーム。LIV史上2位のスクランブリング「10/10」

月刊GD3月号の取材で「昔は60度1本でアプローチをしていたが、いまではウェッジだけでなく9Iや8Iも使うようになり、技のバリエーションが増えた」と浅地は話す(撮影/増田保雄)
浅地の持ち味である緻密な技術は、LIVゴルフという大舞台において、誰もが驚く数字として可視化された。前戦、オーストラリア・アデレードでの最終ラウンド。浅地は「スクランブリング(パーオンを逃したホールで、パーかそれより良いスコアで上がるリカバリー率)」において、なんと10回中10回成功という「100%」の完璧な数字を叩き出したのだ。
この記録は、LIVゴルフの歴史においても、1ラウンドにおけるスクランブリング成績として歴代2位に相当する偉業である。さらに驚くべきことに、彼は現在「12ホール連続」でリカバリーに成功し続けており、これは現在進行形のリーグ最長記録となっている。派手な飛距離や力強い弾道ばかりが注目されがちな海外ツアーにおいて、グリーン周りの泥臭いアプローチと繊細なパッティングでパーを拾い続けるこのスタッツは、浅地の並外れた集中力と卓越した「小技の証明」に他ならない。
香港GCとの抜群の相性。飛ばし屋が苦しむセッティング
そして今週、戦いの舞台となる「香港ゴルフクラブ(ファンリング)」は、彼の神がかったショートゲームが最大限に活きるコースだと言っていい。
1889年開場というアジア屈指の長い歴史を誇るこの名門コースは、パー70、全長6711ヤードと、現代のツアーの中では極めて距離が短い。しかし、その分だけ緻密な戦略性とショットの精度が執拗に試される。開幕戦の「LIVゴルフ・リヤド」、そして地元開催の「LIVゴルフ・アデレード」を連勝し、勢いに乗る「リッパーGC」のメンバーたちも、開幕前の会見でこのコースの特異性を強調している。ベテランのマーク・リーシュマンが「ここは決して飛ばし屋のパラダイスではない。ティーショットのポジショニングが極めて重要で、典型的なセカンドショット・コースだ」と語れば、開幕戦で劇的なデビュー戦勝利を飾った若き才能エルビス・スマイリーも「グリーンが奥から手前へ傾斜しているため、常にホールの低い位置(手前)にボールを残すマネジメントが重要になる」と警戒を強める。
歴史ある林間コースの趣がある香港GCが今週の舞台【LIVゴルフ公式X】
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x.comパワーだけではねじ伏せることができない、繊細なボールコントロールと極限のコースマネジメントが要求されるセッティング。それは、現在ツアー屈指のリカバリー力を誇る浅地洋佑のプレースタイルに、合致しているといえるだろう。
ワイルドカードの重圧を力に変えて
チーム戦の枠外で戦うワイルドカードの選手にとって、ツアーでの生き残りは常に背中合わせのプレッシャーだ。チームキャプテンからの保護や複数年契約を持たない彼らは、自らの力で毎試合結果を残し続けることでしか、来季のシートを確保する道はない。
だからこそ、浅地の一打には魂がこもる。絶体絶命のピンチからでも必ずパーをもぎ取る驚異的なリカバリー率という確かな武器を手に、日本が誇るショットメーカーが香港の難コースをどう攻略するのか。 世界最高峰のフィールドで上位を脅かす「ジャイアントキリング」の予感に、我々日本のファンの胸は高鳴っている。





