ウェッジの未来は「新素材」との邂逅にある
進化の過程を肌で感じてきたクリーブランド氏に、現時点の“ウェッジの完成度”について投げかけた。すると過去の事例を交えながら語ってくれた。
「過去に重心設計をかなり変化させて、ロフト角もストロングにしたモデルを開発したメーカーがありました。しかしバウンスが機能せず、地面に刺さってしまうことが多くなってしまったんです。このように、大きな変化を加えて逸脱させてしまうことで、かけ離れた物ができてしまいます。
そういう意味では設計の基本パッケージはおおむね完成されているかもしれません。またアドレスした時の見た目(形状)も変わらない物のひとつだと思います」

ウェッジは「見た目とそれぞれの基本設計は完成の域に達成している」と話す
“重心”というキーワードは、名だたる設計家が口を揃えるキーワードの一つだ。重心設計は微細な変化で性能を左右する重要な要素であり、クリーブランド氏が話すように逸脱してしまえば本来の機能を果たさなくなってしまう。またヘッドのシルエットは、手にした時の安心感や打球のイメージを描かせる役割がある。時代を通じて愛される顔が存在しているのには理由があり、そしてティアドロップ型がその一つである。
見た目から性能を想起させるヘッドと、目には見えないながらも性能をつかさどる重心を見事に結びつかせたことで、世界で愛されている“クリーブランドウェッジ”が生まれた。彼の美学である「見た目と実用性のバランス」は、先の回答に詰まっているのではないだろうか。
続けてウェッジ設計の不変的な部分だけではなく、この先の進化について話を聞いた。
すると「40年ぶりに大きな変化がありました」と話す。それは昨年発売された「RTZ」に採用された新素材“Zアロイ”(ALLOY)だった。

新素材のZアロイは「画期的な変化だった」という
「些細だと思われるかもしれませんが、これは大きな変化です。非常に軟らかい打感とスピンがしっかり掛かることを両立させました。そして錆びにくいことで、溝の寿命が伸びて長く使えるんです」
最新の「RTZ」は打感の軟らかさと錆に強い耐久性を持った“Zアロイ”が採用されている
次なるウェッジの新たな進化のポイントは素材との巡り合い。打感の軟らかさや溝の耐久性、そしてミスヒットに強くなった「RTZ」で形にした。“高いパフォーマンスを長く発揮し続けられるウェッジ”が今後のトレンドになるのかもしれない。

