アマチュアはプロに比べて圧倒的にマネジメントを考えている人が少ない。その理由として、「自分を知らない」「準備をしていない」ことを挙げるのは、多くの女子プロやアマチュアを指導する辻村明志プロと南秀樹プロの二人だ。女子プロに学ぶ、絶対に大叩きをしないマネジメント術を大公開! 月刊ゴルフダイジェスト4月号で掲載されている内容の一部を「みんなのゴルフダイジェスト」でも紹介する。

実戦で揺れないための「2人の自分」との会話術

画像: 26年開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で26位タイとルーキー最上位でフィニッシュした藤本愛菜(右)と彼女を教える辻村明志プロ

26年開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で26位タイとルーキー最上位でフィニッシュした藤本愛菜(右)と彼女を教える辻村明志プロ

スタート前の準備がマネジメントの本質

マネジメントはコース上でするもの? 「いえ、前日の自宅でするものです」と、辻村明志プロ。ツアーでは前日にピンポジションがわかり、天気予報で風向きもわかる。

「コースや天気の情報を全部集めたうえで、明日はどうプレーするか戦略を練り上げるのが本当のマネジメント。スタートホールでティーアップするまでに『準備100%』の状態にもっていけるかどうか、マネジメントの成功はそこにかかっています」(辻村)

頭に入れておきたいのは「コースはスウィング修正の場ではない」ということ。

「ミスが出たとき、正解のスウィングを探しにいくとドツボにはまります。前日のうちに今の自分にできることを整理しておくと、攻め方で迷わなくなります」

▼前日に、ラウンド中絶対にできることをリストアップ

言語化しておくと頭に入りやすい

練習でもできないことを、コースでやろうとした時点でマネジメントは崩壊する。現時点で自分ができることは何か、メモに書き出しておくと当日も意識しやすくなり、無謀な攻め方を避けながら迷いなくプレーできる。

ポイントは細かすぎないテーマにすること
●単純で絶対に取り組めること
――OK/アドレスは丁寧に
――NG/インから下ろして手元は引く
●できないことはダメ
――OK/フィニッシュまで振り切る
――NG/インテンショナルな球を打つ
●メンタル的なテーマもOK
――OK/ミスを次ホールに持ち越さない
――NG/絶対バーディを取りにいく

※テーマの数は自分が意識できる範囲にする

ラウンド中にできること①
 ∟フィニッシュまで振り切る

画像: 最後までビシッと!

最後までビシッと!

ラウンド中はスウィングの全部を意識するのはプロでも難しい。藤本の場合は、調子が悪くなると振り切れなくなるので最後まで振ること“だけ”を徹底している。

ラウンド中にできること②
 ∟アドレスの向きをしっかり整える

画像: 丁寧にセット

丁寧にセット

コースでは無意識のうちにアドレスのズレも多くなる。ルーティンを決め、目標に対してスクエアに構えられるようにすることが藤本が意識している点。

ラウンド前にできること
 ∟全番手のキャリーを把握しておくこと

画像: この数字は頭に入れておく!

この数字は頭に入れておく!

大まかでいいのでキャリーの飛距離を把握しておく。ライに応じてその距離を増減して的確に狙っていける。「大事なのは総距離ではなく、キャリーです」(辻村)

最低でも難しいホールぐらいはチェックしておこう!

画像: 池やペナルティの有無は当然だが、コース幅が狭そうなホールは必ずチェックしたい。ティーショットがばらつく人にとっては、狭さが最大の敵となる

池やペナルティの有無は当然だが、コース幅が狭そうなホールは必ずチェックしたい。ティーショットがばらつく人にとっては、狭さが最大の敵となる

慎重になるホールを事前に決めておく

コースのサイトを開けば、今は簡単にコース図が手に入る。事前にどんなホールがあるのか見ておくだけで、「ラウンド中に気持ちの余裕が生まれて攻め方も変わってきます」と辻村プロは言う。

といっても、全ホールの情報を収集する必要はない。

「最低限、難しい(難しそうな)ホールをチェックして『このホールは気をつけよう』と思っておくだけでもいい。コース幅が狭い、池やバンカーが多いなど、難しさの基準は人それぞれなので、自分なりの目線でチェックするといいです」(辻村)

▶難しいホールで実践してほしい
 嫌なイメージにしない自分なりの方法を見つけよう

画像: 辻村プロのように目を閉じて視界から消してみたり、藤本プロのように空を見て気持ちを落ち着かせるのも手だ

辻村プロのように目を閉じて視界から消してみたり、藤本プロのように空を見て気持ちを落ち着かせるのも手だ

事前にあると知っていても、実際に目にすると池やOBの存在感は増す。「そういうときは空を見たりして、嫌なイメージを視界から消すようにしています」(藤本)

【これも大事! 】自分にとって難しいホールを探すこと

画像: 「私は前日に気になるところをすべて書き込みます」(藤本)

「私は前日に気になるところをすべて書き込みます」(藤本)

スライサーにとって左サイドの池やOBはあまり関係がない。バンカーが得意ならバンカーが多くても大丈夫。このようにチェックすべき点は人それぞれ。だからこそ自分を知ることが大事になってくる。

チェックができると、ラウンド中に焦らない!

1.むちゃをしなくなる

画像: 無茶をして池ポチャはゴルファーあるある

無茶をして池ポチャはゴルファーあるある

ゴルファーは攻めるマインドが強いので、事前準備なくその場に立つと、危険を承知で狙ってしまいがち。無謀な挑戦を抑制できるのが事前準備の利点。

2.迷いがなくなる

画像: 狙いをつけやすくなる

狙いをつけやすくなる

ティーショットでどこを狙うかとか、パー3なら使う番手まである程度決めておける。クラブ選択に迷わなくなると、スウィングの迷いも減らせる。

3.ボギーでも落ち着ける

画像: 平常心を保てる

平常心を保てる

難しいとわかっているホールでボギーを打っても、メンタルのダメージは少ない。落ち着いてプレーを続けられて、次のホールで焦らなくなる。

攻めと守りの気持ちを自分の中に共存させる

画像: 攻めの姿勢(写真左):どんな状況でも狙うのは悪いことではない。狙う前提で考えると起死回生の攻め方を見つけることもある。ただし可能性の見極めは必要。 守りの姿勢(写真右):少しでもチャンスがあるなら「狙いたい」というのがゴルファーの性。常に「ちょっと待って」と引き留めてくれる存在を心に持っておくことで、一旦冷静になって的確な選択がしやすい。

攻めの姿勢(写真左):どんな状況でも狙うのは悪いことではない。狙う前提で考えると起死回生の攻め方を見つけることもある。ただし可能性の見極めは必要。

守りの姿勢(写真右):少しでもチャンスがあるなら「狙いたい」というのがゴルファーの性。常に「ちょっと待って」と引き留めてくれる存在を心に持っておくことで、一旦冷静になって的確な選択がしやすい。

いくら事前に準備しても、目の前の状況に戦略が揺れることがある。そういうときは、藤本プロのやり方が参考になるはずだ。

「『天使と悪魔』じゃないですけど、鼻息荒く『狙うぞ』という自分と、それに対して『待ちなさい』という自分がいて、迷ったときは2人が会話してどう攻めるか決めるんです」と話す。

あたかも、自分1人の意見ではないかのように感じられるほど、リアルに会話することが重要。藤本プロは、会話の内容が思わず声に出ていることすらあるという。

「難しい状況なら『ボギーでいいよね』とか、結果オーライだったら『ラッキーじゃん』みたいに声に出すと、本当の会話みたいで楽しいし、私の場合はそのほうが気楽(プレッシャーフリー)です」

「ラウンド中1人でぶつぶつ話したりします!」

画像: 自分のなかに相談相手を作るのはぜんぜんOKです

自分のなかに相談相手を作るのはぜんぜんOKです

どう攻めるか悩んだときは、あえて考えていることを言葉に出してみると頭の中が整理されることがある。「どのクラブを使うか、どこを狙って打つか、よくひとりでぶつぶつしゃべってます」

2人の自分と会話するメリット!

画像: リズム、結果が良くなることも

リズム、結果が良くなることも

1.冷静な判断ができる
 ∟自分1人だけの意見じゃなくなるので(もう2人の自分がいるから)、冷静な判断とプレーができる。自然とプレーのリズムも良くなっていく。

2.楽しみながらプレーできる
 ∟1人じゃなく、誰かと話してプレーをしている感覚になるので楽しく回れる。「おしゃべりなので、1人で話しながら楽しくラウンドしていることが多いです」(藤本)

辻村明志プロ
つじむらはるゆき。1975年生まれ福岡県出身。チーム辻村として上田桃子をはじめ数多くの女子プロをサポートし優勝へと導く。今年も2人のアマチュアのプロテスト合格をサポート。

藤本愛菜プロ
ふじもとあいな。2007年生まれ福岡県出身。10歳でゴルフを始めわずか2年で九州中学校ゴルフ選手権を制す。昨年のプロテストを2位で通過し、新人戦も制した期待の若手。

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続く後編では、ダボを打たないための実践的な「セルフマネジメント」と、スコアを劇的に縮めるための「必須ドリル」を公開している。同伴競技者を気にせず自分のプレーに集中するための心理術や、短いパー3でミスを防ぐための驚きの「ティーアップ禁止」戦略、さらにはプロも実戦で多用する「振り幅8割スウィング」の習得法など、技術は今のままでも考え方一つでスコアを縮めるための具体的なメソッドが満載!今のままであと5打縮めるための、より実戦的なマネジメント術の続きは、ぜひ月刊ゴルフダイジェスト4月号、Myゴルフダイジェストでお楽しみください!

まだまだあるマネジメント術!


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