PGAツアーの旗艦大会である「ザ・プレーヤーズ選手権」がフロリダにあるTPCソーグラス(7352ヤード・パー72)で12日、開幕した。しかし、初日は、トップ選手たちにとって波乱に満ちたものとなった。世界王者のスコッティ・シェフラーはイーブンパーの暫定40位タイと静かな滑り出しを見せ、さらに、フェデックスカップランキング首位で今大会を迎えたコリン・モリカワが、第1ラウンド途中で棄権(WD)する事態に見舞われたのだ。

シェフラーが「旧ドライバー」を手放せなかった深い理由

画像: 慣れ親しんだ「Qi10」を使用した初日、左のミスは出なかったが、右のミスが続いた(PHOTO/Getty Images)

慣れ親しんだ「Qi10」を使用した初日、左のミスは出なかったが、右のミスが続いた(PHOTO/Getty Images)

開幕前の会見で「データよりも自分の感覚を信じる」と語っていたシェフラー。初日のティーイングエリアで彼が握っていたのは、「Qi4D」ではなく、2024年と2025年から愛用してきた「Qi10」だった。

なぜ、テクノロジーの恩恵を自ら手放したのか。ラウンド後、シェフラーはその生々しい感覚のズレを打ち明けた。新ドライバーはスピンも非常に安定し、初速も少し速いという。だが、さまざまな球筋を打ち分ける彼にとって、新ドライバーではボールが少し左に行く感覚があった。フェードを打とうとしてフェースの芯で捉えたのに、ドローがかかってしまうことがあったという。

【動画】シェフラー、6番のバーディもドライバーは右へ【PGAツアー公式X】

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「14番、7番、16番のように、絶対に左に外せないホールがある。新しいドライバーのヘッドがどう動くのか、信じきれなかったんだ」と彼は語る。データ上の完璧さよりも、実戦での絶対的な信頼。それが王者の出した結論だった。初日は右へのミスが目立ち、「フェアウェイよりもラフから打つことのほうが多かった」と苦戦を強いられたものの、使い慣れた相棒への信頼を貫く王者の姿勢を見せた。

絶好調のモリカワを襲った残酷な「デジャブ」

一方、もう一つの波乱であるコリン・モリカワの突然の棄権の裏には、アスリートの残酷な現実があった。彼はスタート前のウォームアップでも背中に問題の兆候はなく、「今週はさらに強く振れる準備ができていた」状態だったという。実際に最初のホールでは、素晴らしいショットを2打続け、見事なパットを決めていた。

しかし、続く11番のティーイングエリアで1回素振りをした瞬間に、すべてが暗転する。「デジャブ」のような違和感が突如として背中に走り、インパクトを振り抜けないと悟ったのだ。「原因がわからないからこそフラストレーションが溜まる。最悪の気分だ」と語るモリカワ。万全の準備を整え、最高の状態でティーオフを迎えても、たった1回の素振りで終わってしまう。

【動画】カメラが捉えたコリン棄権の一部始終【PGAツアー公式X】

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最新テクノロジーが弾き出す数値を捨ててまで「自分の感覚」を選び抜いた王者の苦悩。そして、絶好調の波に乗りながらも、一転して「デジャブの痛み」に泣き、コースを去ることになったトップランカー。どれだけ実力と実績を備えていようとも、すべてを完璧にコントロールすることはできない。プロゴルフというスポーツの繊細さと恐ろしさが浮き彫りになった初日であった。

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