
台湾開催の女子ツアー2戦目を制した菅楓華(PHOTO/Getty images)
台湾特有の強く重い風が吹き抜ける最終18番グリーン。菅は80センチのウィニングパットを慎重に沈めると、大勢のギャラリーへ向けて両腕を大きく広げて手を振った。
優勝インタビューでは晴れやかな笑みを浮かべて喜びを言葉にした。
「この難しいコースを回ることが初めてですごい緊張感があったので、自分のゴルフをしようと思って、今日は集中できたかなと思います。台湾で優勝できてうれしいです。また日本に帰っても優勝できるように頑張ります」
強風と絡みつくようなティフトン芝がコースの難度を上げ、各選手がスコアメイクに苦しむ中、3日目に4アンダー68を出して単独首位に浮上した。この日の最終日は2位に3打差をつけてのスタートだったが、攻める気持ちを忘れなかった。
1番パー5でグリーン左から15ヤードのアプローチを1メートルに寄せてバーディ先行。スタート直後の緊張感を拭い去ると4番パー4で6メートルを沈めて2個目のバーディを奪った。
7番パー3で10メートルから3パットボギー、8番パー4はアプローチが寄らず連続ボギーとしたが、10番パー5で3打目を80センチにつけて盛り返し、11番パー4では右奥から15メートルのチップインバーディを決めて、優勝への流れを手放さなかった。15番パー4ではピンまで残り33ヤードの2打目を58度で1メートルにつけて「ダメ押し」のバーディを奪った。
「7番のボギーはしようがないという気持ちだった。8番はやってはいけないアプローチをしてしまったけど、そこでまだ気は抜けないと集中し直した。こんなに2勝目を早く挙げることができて、素直にすごくうれしいです。正直こんなに早く勝てるとは思わなかったです」
女子ツアーが48年ぶりに台湾で開催された今大会は賞金額が高額で優勝賞金は5677万円。菅が昨年獲得した賞金額約1億600万円の半分以上を今大会1試合で手にした計算となる。
「賞金が高い大会は意識しすぎて結果を出せないことが今まで多かったんですけど、今日本当に優勝することができて、賞金を見たら夢のように感じると思います」
考えている使い途は20歳のレディらしく微笑ましい。
「でも、まだ欲がまったくなくて、今はガチャガチャで、すごくはまっているのがあって、それを無限に回したいと思います。ガチャガチャはお菓子の種類で、ピュレグミっていうぶどう味のやつがあって、それがリングになっていて、それが5種類くらいあって、今はおにぎりの具が中に入っているリングが2個くらい集まったので、それを全部そろえたいなと思います。1個300円くらいです」
今季2戦目で優勝を果たし、地元宮崎で開催されるツアー最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」への出場を決めるという目標を早々と達成した。さらなるステップアップを目指す中長期的な目標が視界に入ってもおかしくないが、いたって慎重に構えている。
「日本人選手が海外で活躍しているのを見て、自分もうまくなるためには、そこに行ってゴルフと向き合わないといけないのかなと思うんですけど、今年の結果で考えようと思います。賞金1億円突破することと年間3勝を挙げることが自分の中での今年の目標なので、今はまだ海外に行きたいという気持ちはないです」
ライバルがうらやむ美しいスウィングを持ち、努力も惜しまない大器。将来の女子ゴルフをけん引する資質は十分だが、じっくりと足元を見据えながらマイペースで羽ばたく時期を探っていく。
