ダイキンオーキッドレディス優勝の佐久間朱莉

8時48分にパッティンググリーンに姿を現した佐久間朱莉
試合初日、10時10分のティーオフを控えた佐久間朱莉。そのスタート前ルーティンは、驚くほど緻密で無駄がない。現場の記録から浮かび上がったのは、技術の確認以上に「自分の感覚と現実のズレ」を徹底的に排除しようとするプロの姿だ。

ライン読みに水平器は必須アイテム。次に紹介する菅楓華も使用していた
8:48 - パッティング:レーザーを用いた「直線の精度」
朝一番、彼女が向かったのはパッティンググリーンだ。まずは1mの直線パットから。
興味深いのは、足の裏の感覚と水平器を使い、ラインの読みと実際の傾斜を「擦り合わせる」作業から始めている点だ。その後、ターゲットに対してフェース面が真っすぐ構えられているかをレーザーで確認し、「真っすぐ打つ」精度を研ぎ澄ませていく。
9:03 - 距離感の確認
10mのロングパットで距離感を養い、最後に再び1m前後のショートパットで仕上げる。約20分間、パター一本に集中するこの時間は、その日のスコアを左右する最も重要な儀式といえるだろう。
9:10 - ショートゲーム:砂と芝の感触を確かめる
パッティングを終えると、すぐさまバンカー練習(9:10)、そしてアプローチ・チッピング(9:11)へと移る。わずかな時間ではあるが、インパクトの感触とボールの転がり(足)を確認する。
9:18 - ショット練習:各番手を「少ない球数」で刻む集中力
9時18分に練習場(レンジ)へ移動した彼女は、1かごを使い、全番手を網羅するショット練習を開始。各クラブの打球数は以下の通りだ。

素振りを入念に行い、体をしっかりほぐしてからショットに入る(雨が強くなり雨具レインウェア着用)
ウエッジ:14球
アイアン:5球
ミドルアイアン:5球
ロングアイアン:6球
UT(ユーティリティ):5球
ウッド:5球
ドライバー:5球
合計45球
9:50 - 最終確認:再びグリーンへ
9時39分にレンジでの練習を切り上げると、スタート20分前に再びパッティンググリーンへ戻る。ショットの練習を経て変化した体のアライメントやリズムを、最後にもう一度パターで整える。
10時03分にはすべての準備を終えて移動。10時10分、佐久間朱莉はティーイングエリアへと向かっていった。
台湾ホンハイレディース優勝の菅楓華

様々な角度からパッティングを行う菅楓華
佐久間と同組の菅も10時10分にティーオフ。
8:45 - パッティング:傾斜と「足裏感覚」の同期
朝一番、彼女が向かったのもパッティンググリーンだ。まずは1mの上りパットから練習を開始する。興味深いのは、上り・下り・フック・スライスの各ラインにおいて、足の裏で感じる傾斜と水平器による数値を照らし合わせ、「感覚のすり合わせ」に時間を割いている点だ。その後、7〜10mのロングパットへと移行し、距離感を構築していく。
9:05 - ショット練習
パッティングで感覚を整えた後、9時5分に練習場へ移動。ここでは一球ごとに明確な目的を持ったショットを積み重ねる。各クラブの打球数は以下の通りだ。

ゴルフをするものであればだれもが一度は試す「片手打ち」がルーティン
ウェッジ(58度)片手打ち・ハーフショット:15球
ウェッジ(48度)フルショット:3球
ショートアイアン:3球
ミドルアイアン:5球
ロングアイアン:5球
ユーティリティ:8球
フェアウェイウッド:2球
ドライバー:5球
合計46球
9:39 - ショートゲーム
ショット練習を終えると、再びコースの練習エリアへ。9時39分からアプローチを、9時41分からはバンカーを確認し、砂と芝の感触を手に残していく。わずか数分間の作業だが、これが実戦モードへの最終スイッチとなる。
9:50 - 仕上げ
9時50分、再びパッティンググリーンへ戻る。ここで菅は多くの球を打たない。1球のみを使用し、異なるラインからカップを狙い続ける。本番と同じ「外せない一打」の緊張感を再現する、究極の仕上げだ。
10時02分、すべての準備を終え、彼女は静かにスタートホールへと移動していった。
明日からのラウンド、我々アマチュアもただ漫然と球数をこなすのではなく、彼女たちのように「明確な意識をもって」スタート前の時間を使ってみてはいかがだろうか。1番ティーに立ったとき、今までとは違う景色が見えてくるはずだ。





