千葉県・紫カントリークラブ すみれコースで開催中の「Vポイント×SMBCレディス」。予選ラウンドを終え、選手たちを待ち受けていたのは、計算し尽くされたアンジュレーションと、風・ライ、そして視界を騙す過酷なセッティングだった。特にインスタートの選手を苦しめた10番、ダブルボギーが続出した12番など、スタッツが示す難易度はもはや国内屈指のポテンシャルを誇る。一打のミスが致命傷となるこの舞台で、選手とキャディは何を考え、どう戦っているのか。現場を知り尽くしたキャディたちの証言から、決勝ラウンドの鍵を握る「最難関ホール」の正体に迫った。

「Vポイント×SMBCレディス」帯同キャディ/スタート時間

河本結:高畑翔太氏/8:40
吉田鈴:松村卓氏/9:50
佐久間朱莉:後藤勝氏/10:10

【難関ホール分析】勝負を分けた「耐えどころ」と「罠」

初日の平均スコア「75.1296(+3.1296)」から、2日目には「75.6776」へとさらに難化。パーに対するオーバー数は単日で「+3.6775」に達し、アンダーパーでホールアウトすること自体が至難の業となった。特に「トリプルボギー以上」が2日間で計14個(1R:3個、2R:11個)も記録されており、一度ミスをすれば一気にスコアを崩す「すみれコース」の恐ろしさを物語っている。

画像: 2日目、首位に立った佐久間朱莉。隣にいるのがキャディの後藤勝氏(撮影/姉崎正)

2日目、首位に立った佐久間朱莉。隣にいるのがキャディの後藤勝氏(撮影/姉崎正)

今回は2日目をトップで終えた佐久間朱莉のキャディ後藤勝氏、2日目で上位に浮上した吉田鈴のキャディの松村卓氏、そして河本結のキャディである高畑翔太氏にすみれコースの難しさを聞いた。

【難所①】10番パー4(398Y)

画像1: (引用:紫カントリークラブ公式HP)

(引用:紫カントリークラブ公式HP)

2日目の難易度は「4.4720」と全ホール中トップ。パーオン率はわずか28.0%と、4人に3人はグリーンを外している計算になる。

後藤勝氏(佐久間キャディ):「セカンドを打つ際、左手前の木が視界に掛かるね。つま先下がり、左下がりのライからどう打つかが試されるよね」

高畑翔太氏(河本キャディ):「Y字の木が視界に入るため、それを意識しすぎると右のバンカーに捕まってしまう。ティーショットがかなり重要になるホールです。彼女は基本フェードで攻めていくので、木が邪魔になってしまうことが多いです」

松村卓氏(吉田キャディ):「意外と距離が残るし、ピンが左ならフェアウェイ右側というように、逆サイドをキープしないとグリーンが狙えません。右のバンカーも届いてしまうのでケアが必要です。バンカーに入ってしまっても全然狙っていけるのですが、奥はどのホールも絶対NGなので、縦距離の調整がかなり難しいですよね」

【難所②】12番パー5(495Y)

画像2: (引用:紫カントリークラブ公式HP)

(引用:紫カントリークラブ公式HP)

2日間のストローク平均は、初日が「5.1944」、2日目が「5.2804」。パー5でありながら、2日目にはダブルボギーが15個も出ている難関ホール。3打目は前足下がりで引っ掛けやすく、ピンポジションによってはパーセーブさえ危うい難所。少しでも左に外すと池まで転がってしまう。

高畑氏(河本キャディ):「どんどん前足下がりになるため、左の池がかなり利いている。河本(結)はフェード打ちなので、左ピンだとピンから遠ざかってしまい、なかなかバーディチャンスにつけられませんね。2打目を置く位置もかなり重要になりますし、またその時の風によってまたマネジメントが変わるので、練習ラウンド通りにいかないところが戦略性があって面白いです」

【難所③】17番パー4(421Y)

画像3: (引用:紫カントリークラブ公式HP)

(引用:紫カントリークラブ公式HP)

終盤の17番も平均スコア4.3271と難化。2日目のバーディ数は107人中わずか11個に留まっている。

松村氏(吉田キャディ):「グリーンのアンジュレーションもスピードもある。僕らの考えは第一に『ピンの手前から』。奥は絶対にNGです。いかに『行ったところからパーセーブできる場所』に外すかという勝負になります。ちょっと前足が下がり、打ち出し角が出にくいのでボールが止まりにくいですね」

決勝ラウンドの鍵は「リカバリー率」と「精神力」

画像: 朝の6時半にはグリーンコンディションの確認をしていた佐久間朱莉のキャディ、後藤勝氏

朝の6時半にはグリーンコンディションの確認をしていた佐久間朱莉のキャディ、後藤勝氏

2日目のフィールド全体のリカバリー率は51.4%(51.4019%)。およそ半分は寄せワンが取れない計算だ。その中でも上位に踏みとどまっている選手たちは、共通して「外していい場所」を徹底して守っている。

首位を走る佐久間朱莉のキャディ後藤氏は、このタフな状況をこう分析している。

「グリーンの硬さ、アンジュレーションのデザインの素晴らしさ。そこに風の度合いの変化が加わり、コースのポテンシャルが難易度として示されている。難しいという言葉はネガティブ。難易度が上がっていると捉えるべきですね」

佐久間に対してもメンタル的に“難しい”という言葉を出さないことで、選手のモチベーションを高めているのだろう。

「なかなかハードゲームになるから、こんなところでぶっちぎりたいね」

そういって、後藤氏は18番ホールを去っていった。

決勝ラウンド、さらに硬く速くなることが予想されるグリーンに対し、選手とキャディの「我慢比べ」はどこまで続くのか。紫カントリーの女神は、最後に誰に微笑むのか。最終日に注目だ。

プロゴルファー中村修が語る注目ポイント

「難しいホールは、外すならどこに外せば良いかの判断も難しい。右奥ピンの10番は奥はダメなので手前。左奥ピンの12番は左は池に入るので右奥6YまではOK。17番は右手前ならOKと、外してはダメなエリアとOKのエリアを明確にしておくことで、グリーンを外してもポジティブなマインドでグリーンに向かえる。キャディはそれを念頭に置きながら選手を導いています」

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