山下美夢有、西郷真央らに加え、渋野日向子の参戦も決まり、米女子ツアーに参戦している15人の日本勢全員の出場が決まった「フォード選手権」。多くの日本のゴルフファンが熱い視線を送る中、今大会のフィールドではもう一つ、世界のゴルフファンを喜ばせる大きな「再会」が話題を呼んでいる。女子ゴルフ界を牽引してきた最強の姉妹、ジェシカ・コルダとネリー・コルダの共演だ。

空白の3年間を埋めるものと、孤独を癒やす「家族との共同生活」

2023年以来、約3年ぶりにフルフィールドのLPGAツアーで同じ舞台に立つコルダ姉妹。公式会見の席に並んで座った二人の表情は、終始リラックスした笑顔に包まれていた。姉のジェシカは、久々のツアー復帰における妹の存在について、ユーモアたっぷりにこう語った。

「誰と練習ラウンドをするか、誰とランチを食べるかを考えなくていいんです。それだけで心が安らぎますね」

妹のネリーにとっても、姉の復帰は計り知れないプラスの力をもたらす。現在、世界ランキング2位で今季も好調を維持する彼女だが、トッププロとしての孤独な闘いについて素直な胸の内を明かした。 「ツアーの生活は、時にひどく孤独で孤立したものになります。高度な競争社会だからこそ、他者と友情を築くのは簡単ではありません。だからこそ、一番のベストバディがそばにいてくれることは本当に心強いんです」

そんなネリーが語った「ツアー生活の孤独」を埋めるのは、ゴルフ場での再会だけではない。今大会中、二人は同じ家を借りて滞在しており、ネリーが夕食を振る舞うなどリラックスした時間を過ごしている。ジェシカの息子グレイソン君や母親も同居しており、ネリーにとっては、ジェシカがツアーを離れていた期間に感じていた孤独感を癒やしてくれる、最高に楽しい環境となっているようだ。

画像: 左が姉のジェシカ・コルダ、右が妹のネリー・コルダ(写真はジェシカが22年、ネリーが24年のどちらもシェブロン選手権、撮影/岩本芳弘)

左が姉のジェシカ・コルダ、右が妹のネリー・コルダ(写真はジェシカが22年、ネリーが24年のどちらもシェブロン選手権、撮影/岩本芳弘)

互いのプレースタイルへの深いリスペクトとライバル心

二人は精神的な支柱であると同時に、互いのプレーを深く尊敬し合っている。妹のネリーは、ジェシカの「勝負どころで長いパットを決める勝負強さ」や「感情を爆発させる大きなガッツポーズ」を称賛している。

一方で姉のジェシカは、ネリーの美しいスイングや悪天候でも崩れないタフさを高く評価しており、特に彼女の凄まじい勝負への執念を「負けるくらいなら相手の喉をかき切る」と表現し、絶賛している。

母となったジェシカの「痛みの管理」と「現在の境地」

出産と怪我を乗り越え、母として初めてツアーの舞台に戻ってきたジェシカ。育児と並行するため、練習量は週に3日程度と限られている。現在も背中の痛みと付き合いながらプレーしており、決して万全な状態というわけではない。

それでも、「まさか自分が(母親としてツアーに復帰することが)自分の人生のストーリーの一部になるとは思っていなかった」と語り、ただこの場に立てていることに深く感謝している。ゴルフ場にいても上空のヘリコプターや池のアヒルを見て息子の喜ぶ顔を思い浮かべてしまうと笑いながらも、「結果にこだわらず、今ある幸せを噛みしめる」という大人の余裕が彼女を包んでいる。

15人の日本勢に立ちはだかる「コルダ・ウォール」

一方のネリーは、姉の復帰によって精神的な充実感をさらに高めている。今季、出場2試合ながら優勝と準優勝を1回ずつという、ほぼパーフェクトな強さを披露しているネリーが、家族の絆という“無敵の安心感”を手に入れたことで、その隙のなさはより一層盤石なものになるだろう。

今大会、日本勢は15名がそろい踏みし、上位進出、そして優勝を狙っている。しかし、彼女たちの前に立ちはだかるのは、技術と精神の両面で「完全体」となったコルダ姉妹という、とてつもなく高く、そして分厚い壁である。世界最高峰の舞台で、日本のなでしこたちがこの「コルダ・ウォール」にどう挑むのか。アリゾナの熱い戦いから目が離せない。


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