アスタラ・チリ・クラシック3日目
石川遼インタビュー全文
――2017年末に日本ツアーに帰ることを決めたのは?
2017年、PGAシードを失った時、下部のウェブドットコムツアーに行くか、日本ツアーに戻るか、打ちひしがれていた。一番は挫折感、悔しいという冷静な感じではなく、自分の中ではどん底だった。他の人から見れば、うらやましいポジションだったと思うけど、自分にとっては苦しい時期だった。そこでかなり弱って、自信もなくして、日本に帰ってきて、ずっとまた挑戦したいと思っていた。2020年から剛さん(田中コーチ)にお願いしたのも、もう一度挑戦したいと思っていたから。日本に帰国した時は、24、5歳だった。当時はあまり何も考えていなかった。全然だめだという思いしかなかった。もっと前向きだったら違うチョイスをとっていたかもしれない。帰国の決断はチームではなく自分でした。
当時と違って今のコーンフェリーツアーはワールドランキングのポイントも高いし、その分選手層も厚い。PGAと何が違うかとは、距離の長さ、ラフの深さ。KFTは飛距離が長い選手が多い。KFTで活躍した選手はPGAでも活躍している。自分の中ではゴールというか、プレーしたいのがPGAツアーなので、そこに対して必要なものを身につける環境に身を置くのは、自分にとって必要なことだと思う。
日本からPGAという方法もあったが、自分の中で、選択肢としてセカントQスクールからチャレンジできるステータスを持ち、日本のツアーもシードがあるし、Qスクールにもチャレンジできるステータスがある。自分にチャンスがあるのは、過去の自分の力でもぎ取っている、数少ないものなので、まったく扉が開かれていないKFTなら難しいけど、自分の中で挑戦することが可能なので、ここにきた。もし、KFTに出られないなら、日本から挑戦しただろう。最善を自分の中で尽くしていきたい。
――PGAに行けるか?
まだまだ。
――34歳になって、心構え、心理的な落ち着き、変化はあるか?
今のほうが、より悪い時、スコアが悪かった時の原因が見えてる。よりつらいし、よりむかつくけど、今の方がある。以前は、原因がわからず、がむしゃらにやって、良い時もあれば悪い時もあるよねとやってたけど、済ましていた。今は、いろんなことをしらみつぶしにミスも少なくしたいし、良いショットを打ったことが良い結果に繋がるようにしたいし、ということを考えて、細分化して、いろんなことを考えると今のはこれが良くなかったというのが見えてくる。じゃあ、それをやらなければいいのだけど、それを実行することの壁もあるし、修正すればいいよねと練習場で修正しても、また試合で同じ状況がいつ訪れるかわからない。忘れた頃にそういう状況がまたくることもある。
そういうことがより今のほうが見えることがあるので、だからこそ悔しいなと思うことも今のほうがある。昔は、わからなくてもがむしゃらにやろうと、空回りのところもあった。どっちもどっちです。
――15歳から一流で、それでも葛藤があるんですね?
ゴルフという、このゲームは簡単ではない。複雑化させるのもシンプル化させるのも自分。メンタルゲーム。今の方が、メンタルゲームだなあと思うことがあります。剛コーチがついて、スウィングだけでなく、全体的に、コーチの枠を超えたアナリスト的な分析もしてくれて、自分が一生懸命やったプレーのデータの蓄積は事実として残っていく。自分が無意識にやっていることも、意識してもこの程度だったり、客観的な数字として残っていく、ところを分析してもらってる。どこかずれてるのかなと、これから先、感じやすい形でこの7年間きたなと思う。
全部記録して残っているので、こういうことは、今年から初めてデータが活きるというのではなく今までの蓄積で、あまりにもこのミスが多いな、ここは安定しないななどと、年数が経てば経つほど、もっと純粋なデータになってくるので、それをそのままにしないで、これはやらないといけないなということが見えてきて取り組んでいる。楽しくないけど、楽しいというか、辛い時もあるけど、少しずつ良くなっているし、明日も課題はあるけれど、良い感じでやりたいです。
――そのデータは、この先ゴルフ界において、次世代に役に立つか?
僕自身のデータであり、僕の性格、性質、ゴルフのプレースタイルだけでなく、自分のやりたいスタイルでなく実際そうなっているという事実のデータなので、当然世界のトップの選手たちは、性格はわからないけどデータはあるので、そこと、データから見えてくる部分もあって、ここの分野でこういうデータがある、
自分の中でこういうメンタリティで取り組んでいるけど、もっと上には上が全然いるのを自分で数字で感じた時に、じゃあこのマインドでやっていていいのか、と感じる部分もあるし、アグレッシブすぎたり、コンサバ過ぎたり、自分の数字から見て、感じる部分もあるし。なので、これが石川遼のデータかとなって、それが堂々と見せられたら格好いいけど、本当に今、曝け出すような感じになるので、結構恥ずかしい。
――今すぐでなくても、長いキャリアの長い先のことですけど、石川選手の経験や、国内海外、データにしろ、いろんな経験をされてきている、きっと次の世代に繋がると思います。
そうですか?? そうだといいんですが。