マスターズへの最終切符と調整を懸けた「バレロテキサスオープン」。日本勢の松山英樹、久常涼、金谷拓実が揃ってタフなコンディションを耐え抜き、予選通過を果たして週末の戦いに臨む。彼らの熱いプレーに期待が高まる中、リーダーボードでひときわ異彩を放っているのが、首位と4打差の通算10アンダーで単独2位につける若き天才、ラドビッグ・アバーグだ。

ド派手なイーグル

スウェーデンが生んだ新世代のエースは、この日も観衆を魅了した。ハイライトは6番(パー4)で見せたド派手な一撃だ。残り約120ヤードからサンドウェッジで放ったセカンドショットが、そのまま直接カップに吸い込まれる見事なイーグル。

「120ヤードくらいからサンドウェッジで打ったんだ。少しオーバーしたかと思ったけど、見えなかったんだ。勢いよく入ったんだろうね」

【動画】アバーグ、6番のチップインイーグル【PGAツアー公式X】

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冷静に自らのショットを振り返るが、大舞台でいとも簡単にビッグプレーをやってのける爆発力は、まさに規格外と言える。

視覚を狂わせる調整法

画像: 単独2位で週末に入るラドビッグ・アバーグ(写真は25年ツアー選手権、撮影/岩本芳弘)

単独2位で週末に入るラドビッグ・アバーグ(写真は25年ツアー選手権、撮影/岩本芳弘)

しかし、彼の凄みはスーパーショットだけではない。次週に控える「マスターズ」に向けた、一流選手ならではの独特なアプローチがある。 多くの選手が「メジャー前の休養」を選ぶ中、彼があえてこの大会に出場し続ける理由。それは、TPCサンアントニオのコースレイアウトを利用した“視覚的調整”だという。

「ここ数年、マスターズの前には必ずこの大会に出場しているんだ。ティーショットが非常に狭いこのコースをプレーすることで、視界のトンネルが狭まり、感覚が研ぎ澄まされる。そうやってから翌週のオーガスタに行くと、コースが少し広く感じるんだよ」

あえて視覚的なプレッシャーが強いコースに身を置き、自分自身に負荷をかける。そうすることで、アーメン・コーナーをはじめとするオーガスタの重圧を軽減させるという、天才ならではの緻密に計算された調整法なのだ。

第二の故郷とW杯への思い

さらに、彼にとってこのテキサスは、精神的なホームグラウンドでもある。テキサス工科大学で約5年を過ごした彼にとって、ここは「ほぼ地元」。「テキサスからの愛を間違いなく感じている」と、地元のファンの大声援が彼を力強く後押ししている。

加えて、母国スウェーデンのサッカー代表がW杯予選でウクライナを撃破したニュースにも刺激を受けている。奇しくも今年のW杯グループステージで、日本とスウェーデンは同じグループに入っており、その直接対決の舞台は彼の第2の故郷であるここテキサス(AT&Tスタジアム)なのだ。

「(夏の)W杯の舞台を見に行くのはバケットリスト(死ぬまでにやりたいこと)の一つだ」と笑顔を見せるアバーグ。心身ともにこれ以上ないほど充実している。

計算し尽くされた視覚的調整と、第二の故郷の大声援。最高の状態でオーガスタへ向かうための週末のシナリオは、完全に整っている。日本勢とともに、アバーグの魅せる週末のゴルフを堪能したい。

首位はマッキンタイア


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