脳腫瘍から復活したゲーリー・ウッドランド
2019年に全米オープンを制したゲーリー・ウッドランド。ところが2023年4月に突然、睡眠障害とパニックに襲われます。医師に相談しMRI検査を受けると、不安や恐怖をつかさどる脳の部分に病変があることがわかりました。薬で症状を抑えながらプレーを続けましたが、精神状態は危うくなり、
プレショットルーティンは支離滅裂。集中力を欠く状況に、このままでは競技を続けられないと9月に手術を受ける決断をします。
彼がもっともつらかったのは「これが最後かもしれない」と思いながら家族に手紙をしたためたときだったといいます。
「娘たちにはたとえバージンロードを一緒に歩けなかったとしても、パパは君たちをそばで見守っているよ、息子には、助けを求めることは恥ずかしいことじゃない、と伝えたかった。そして妻には何も変わらないでほしい。そのままで完璧だと書きました」
子供の成長を見られなくなるかもしれない恐怖と闘いながら手紙を書いた瞬間を振り返り、「あのときが人生で一番つらかった」と言います。
死をも覚悟した手術。頭に野球のボール大ほどの穴を開け、病変の大部分を取り除きました。手術は成功し、2日後には自宅でパットを打ち始め、裏庭でアプローチの練習もします。そしてわずか4カ
月後にはツアーに復帰したのです。
復帰してからも薬は欠かせず、2024年は26試合に出場しトップ10はわずか1回。ですが昨年のテキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン最終日には大会レコードに並ぶ「62」をマークし、首位
に1打差の2位タイでフィニッシュ。そして今年、その大会で見事に復活を果たしました。この優勝で今週、2年ぶりのマスターズに挑んでいます。
テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープンで7年ぶりの復活優勝を決め、18番グリーン上で妻のギャビーさんと抱き合うゲーリー・ウッドランド。3人の子供たちは自宅で待っていたが、ギャビーさんは18ホールずっと彼に付いて歩き、復活の瞬間を見届けたという
PHOTO/Getty Images
※週刊ゴルフダイジェスト2026年4月21日号より

