ニュージーランドの苦い記憶と「60度」ウェッジの投入
数週間前に出場した「ISPS HANDA Japan-Australasia Championship 2026(ニュージーランド開催)」で、福住は大きな壁にぶつかっていた。海外特有の芝や地面の硬さに対し、アプローチウェッジを変更したばかりの状態で臨んでしまったのだ。
「ライ角やロフト角の調整はしていたんですが、バウンスの跳ね具合などが全く分からなくて……。ちょっと冒険しすぎました。不安を抱えたままプレーすることになり、スコアに繋がりませんでした」と悔しそうに振り返る。
しかし、この失敗を無駄にはしなかった。開幕戦を迎えるにあたり、福住はウェッジのセッティングを大きくテコ入れする。 元々は「52度、58度」の2本体制だったが、今週は「52度、56度、60度」の3本ウェッジ体制へと変更したのだ。
「グリーンが硬くてタフになってくる上で、しっかりスピンがかかるものを準備しておかなきゃいけないなと。実は(中学・高校の先輩である)岡田晃平さんに相談して、これまで入れていた難しい3番アイアンを抜き、リスクを減らすためにウェッジを3本にしました。晃平さんも60度を入れているので、そのセッティングを参考にしました」
不安要素を排除し、タフなコースセッティングに対応するための実戦的なクラブセッティング。この準備が、開幕戦での「自信を持ったプレー」へと直結した。
名参謀・清水重憲キャディの“金言”

初日3アンダーと好調な滑り出しをした初シードの福住修(撮影/姉崎正)
そして今週、福住のバッグを担いでいるのは、数々の賞金王・賞金女王をサポートしてきたツアー屈指の名キャディ、清水重憲氏だ。
「風の読みも正確ですし、何より『しっかり決断してからプレーを実行しないと、不安がミスに繋がる』という部分がクリアになるので、すごく良くプレーできます」と福住は全幅の信頼を寄せる。タイミングの良い声掛けも、初シードで開幕戦を迎える若手のメンタルを大きく支えている。
気持ちが前へ出過ぎてしまう自らの性格を熟知している福住。清水キャディからは、こんな言葉をかけられているという。
『焦らなくても、パターが入ればバーディは取れるから』
「予選ラウンドは欲張りすぎず、落ち着いていきたいです。このコースではそういった(焦らない)ゴルフが必要だと忘れずに、1打1打集中して頑張りたいです」
確かな武器となる「60度ウェッジ」と、迷いを消し去る「名キャディ」の存在。心技体がガッチリと噛み合った若きシードプレーヤーが、東建多度のグリーンでさらなる上位進出を狙う。




