国内男子ツアーの2026年シーズンは国内開幕戦となる「東建ホームメイトカップ」が4月9日に東建多度カントリークラブ・名古屋(7090ヤード・パー71)で開幕した。大混戦となった初日のリーダーボードやスタッツを眺めると、今春大学を卒業したばかりのフレッシュなルーキーたちが、堂々たる数字を残して躍動している。中でもひときわ輝きを放っているのが、早稲田大学出身の竹原佳吾と中野麟太朗だ。初日のスタッツを見ると、グリーンを確実に捉える「パーオン率」において、中野が83.33%で単独1位、竹原が77.78%で2位タイにランクイン。ツアールーキーがいきなりショットのキレで魅せた。

パターの試行錯誤と“先輩の支え”で魅せた竹原佳吾

画像: 大卒ルーキーでは一番いい位置で国内開幕戦を終えた竹原佳吾(撮影/姉崎正)

大卒ルーキーでは一番いい位置で国内開幕戦を終えた竹原佳吾(撮影/姉崎正)

3アンダーの13位タイという好位置で初日を終えた竹原佳吾。彼はパーオン率の高さに加え、フェアウェイキープ率で14位(71.43%)と、初陣の緊張感を感じさせない極めて安定したゴルフを展開した。

しかし、本人の胸のうちは決して盤石ではなかったという。オフの合宿で手応えを得た「ジェイルバード ミニ」だが、先週開催のACNツアー「Novil CUP」から感覚が合わず、「本当に自信がない中で打っている感じでした」と吐露する。

打開策となったのは開幕直前に火曜日の練習日。竹原が契約するキャロウェイの契約コーチでツアー帯同している橋本真和氏などに悩みを相談し、アドバイスを仰いだ結果、急遽、新しいパターに変更した。「距離感はまだ完璧ではないものの、微妙な距離のパットに自信が持てるようになりました」と、この日は3パットを1回(7番のボギー)に抑え込み、ショットの良さをしっかりとスコアに結びつけた。

そして、プロの世界の空気に馴染もうとする彼を一番近くで支えているのが、小学生の頃から共に汗を流してきた1つ上の先輩、関駿斗キャディ(戸塚CC研修生)だ。「タメ口で話すくらい仲が良くて。ツアーに慣れるまでは心細いので、気心の知れた先輩に担いでもらえて本当にありがたいです」と竹原は全幅の信頼を寄せる。

先輩キャディと徹底してメリハリをつけたマネジメントを完遂し、「1ボギーで行けたので自分らしいゴルフができた」と胸を張った竹原。明日に向けても「『3アンダー行ける』と過信せず、初心に帰ってゼロからやりたい」と、ルーキーらしい謙虚な姿勢を崩さない。

「逆張り」を恐れた同級生キャディ!? 中野麟太朗の吹っ切れ

画像: 国内開幕戦の初日、パーオン率1位でスタートした中野麟太朗(撮影/姉崎正)

国内開幕戦の初日、パーオン率1位でスタートした中野麟太朗(撮影/姉崎正)

一方、アマチュア時代からレギュラーツアーで実績を残してきた中野麟太朗は、2アンダーの23位タイ発進。フィールド単独トップとなるパーオン率(83.33%)という圧倒的なアイアンショットの精度を見せつけたが、序盤は大きなトラブルに見舞われていた。

出だしの2番ホール。中野のティーショットは無残にも池へと消えた。「ここのところドライバーがずっと良くなくて、振り切れないというか……」と振り返る。しかし、この手痛い「池ポチャ」が、かえって若き大砲の目を覚まさせた。

「飛ばすように打てずに池に入ったことで、逆に気持ちが吹っ切れました。『振れずに曲がって池に入るなんて馬鹿らしいな』と思えて、そこからドライバーがしっかり振れるようになりました」

画像: 今週、中野のバッグを担ぐ柏俣結生キャディは25年日本アマで6位タイに入る腕前(撮影/姉崎正)

今週、中野のバッグを担ぐ柏俣結生キャディは25年日本アマで6位タイに入る腕前(撮影/姉崎正)

技術的な修正というよりも、持ち前の思い切りの良さを取り戻すメンタル面のスイッチ。それを隣で静かに見守っていたのが、早稲田大学のゴルフ部の同期である柏俣結生キャディだった。

「中野は逆張りしたくなるタイプだと聞いていたので(笑)」と柏俣キャディは苦笑いする。

「2番で池に入れた後も『気持ちよく振り切ろうよ』とか声をかけようとしたんですが、それで逆張りされて曲がったら怖いなと思って、言うのをやめました」

あえて励まさないという、同級生ならではの絶妙な距離感。これを聞いた中野は「生意気なこと言ってますね(笑)」と笑い飛ばしつつも、「今日は僕がバーディを取って先に行くことが多かったんですけど、よくついてきたなと。あと3日頑張れって感じです」と、照れ隠し交じりに感謝を口にした。冗談を言い合える“相棒”の存在が、中野の圧倒的なパーオン率を影で支えていたのかもしれない。

気になる大卒ルーキーたちの初日順位は?

竹原、中野の早稲田コンビ以外にも、今年の男子ツアーには注目の大卒ルーキーがひしめいている。彼らの初日の結果は以下の通りだ。

・13位タイ(3アンダー)/竹原佳吾(早稲田大)
・23位タイ(2アンダー)/中野麟太朗(早稲田大)、古瀬幸一朗(東北福祉大)
・54位タイ(E)/湯原光(東北福祉大)、小田祥平(専修大)
・73位タイ(1オーバー)/安保卓哉(早稲田大)

なお、注目ルーキーの一人である小林大河(日本大)は、眼痛のため自身の2ホール目である11番ホール終了後に無念の途中棄権となった。

プロとしての第一歩を踏み出したばかりの彼らが、2日目以降の東建多度カントリークラブでどのようなサバイバルを見せてくれるのか。大豊作の予感が漂う“大卒ルーキー世代”の戦いから目が離せない。

なお、2日目を予定していた4月10日は、悪天候によるコースコンディション不良、また今後の天候状況を踏まえ、競技は中止。昨年同様、現段階で54ホール競技となることが発表された。

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