場所は、千葉県木更津市のゴルフ場、ザ・カントリークラブジャパンの進入路わきに広がるタイトリスト・フィッティングセンター。最新の弾道計測器を備えた試打室に加え、トーナメントコースと変わらぬコンディションの天然芝のグリーン、天然芝のグリーン周りとラフエリア、バンカーも備わったショートゲームエリアを使ってのフィッティングができる文句ナシの施設と環境。ちなみに、タイトリストの契約プロも、この場所でクラブやボールのフィッティングを行っている。
1人目:①ライ角と各番手のキャリーをチェック
1人目は関口喜弘さん(48歳)。ゴルフ歴約20年で平均スコアは95。真剣にゴルフに取り組む中級者だ。
現在のウェッジは、タイトリストT100・SのPW(44度)、48度がボーケイSM9、52度がボーケイSM8、他ブランドの58度。都度、ショップで手にして印象の良かったものを選んできたため、このような組み合わせになったという。

屋外に向かって打つ試打室でフィッティングをスタート(関口喜弘さん)
フィッティングはマイクラブの数値を計測することからスタート。初めての本格フィッティングということもあり緊張しつつ、計測結果は、PWがキャリー120ヤード、48度が110ヤード、52度が100ヤード、58度が80ヤード前後と飛距離の階段はできている。
計測データによると、①打ち出し方向が全体的に左に偏っている。②52度のキャリーのブレが大きい。③90ヤード前後を普通のショットで狙えるクラブがない。この3つが課題となった。
①の打ち出し方向が左に偏っている点は、「マイクラブでは打点がヒールに寄り過ぎて、出球からターゲットラインより左に出ています。これはライ角が合っていないことが原因。ライ角を1度アップライトにするだけで方向性も当たり方も良くなるはず」(フィッティングスペシャリスト・井上氏)とまずはライ角を調整する。
ライ角1度の調整は効果てき面で、before & afterの比較が下の図。打点がヒール下部(左)からセンター付近に近づき、出球もターゲット方向へ飛ぶようになった。

左が調整前、右がライ角調整後
続いて、②の52度のキャリーが安定しない課題は、シャフトの軽さが原因と分析。いくつかのシャフトを試した結果、振り感が良く、キャリーも安定したダイナミックゴールド S200に変更。48度と同じシャフトになった。「これで飛びすぎを心配せずにしっかり振れるようになるはずです」(井上氏)。方向性と打点を安定させた上で本格的フィッティングに入る。

フィッティングはテンポよく進んでいく
関口さんのPW(ロフト44度)のキャリーは約120ヤード。次の番手候補として、使用中の48度に加えて、50度を試す。「110ヤードをフルショットで狙う番手としては、48度では少し距離が出ています。グリーンに止めるためにスピン量と落下角度を考えると、50度が良いでしょう」(井上氏)
44度(PW)から50度のウェッジと、ロフトピッチが開いたが、「大切なのは各番手のキャリーの階段と必要な弾道が得られること。必ずしも等間隔に揃える必要はありません」(井上氏)
50度に続く番手は、キャリー差を考慮して、現在の52度から54度へ変更。これによりPW(44度)120ヤード、50度110ヤード、54度100ヤードと、飛距離の階段がより鮮明になった。
「これまで90ヤードは52度で加減して打っていましたが、54度のほうが抑える幅が小さく、100ヤード前後に自信が持てそうです」(関口さん)と③の課題も解決。

フィッティングは、計測データの確認とフィッティングスペシャリスト井上氏の分析によって進む
1人目:②ソールの適性グラインドを見極める
54度のグラインド(ソール形状)は、「ショットでの使用がほぼメイン」との使い方を考慮して、スタンダードなSグラインド、クラシックなソールでバウンスが大きなFグラインド、ややスティープ(鋭角度)気味の関口さんのスウィング軌道に合ったDグラインドをテスト。
「関口さんはスウィングがややスティープで、ロフトを立たせてインパクトするタイプ。バウンスが多めのクラブがフィットします。54度はフルショットを前提としつつ、加減して90ヤードを打つことを考えると、Fグラインドよりややスティープに入っても引っかからずに、ボールを前に飛ばしてくれる、Dグラインドが良いでしょう」(井上氏)
SM11 座学①
豊富なロフトとソールバリエーション
ボーケイ・デザイン ウェッジの特長のひとつが、ソール形状の選択肢の豊富さ。SM11はロフト44度から60度まで2度ピッチの幅広いロフト設定に加え、6種類のソールグラインドをラインナップ。組み合わせによって、自分のスウィングやコース条件に合わせた細かな調整が可能
ソール形状は6タイプ
Tグラインド/タイトなライや硬いコンディションでの抜けの良さと多様性を発揮するローバウンスのソール
Mグラインド/フェースを開いて使いやすい操作性に優れたソール
Fグラインド/フルショットに対応する伝統的なソール
Sグラインド/スクエアに構えるショットを、様々な状況で安定させるソール
Dグラインド/スティープな軌道と柔らかいコンディションに合う
Kグラインド/ワイドソールでバンカーにも強い (KとDがバウンス12°で最大のため)

ワイドソールのKグラインドは、バウンス12度に加え、ローバウンスの6度もラインナップ
1人目:③天然芝のアプローチエリアで58度のソールグラインドを選ぶ

グリーン周りでの「ダフリを解消したい」という関口さん。その悩みをグラインド選びで解決していく
ラストは天然芝のアプローチエリアで、アプローチに適したウェッジをフィッティング。使用ウェッジはSM11の58度。関口さんのスウィング傾向を見て、用意したグラインドは10S・12D・12K・06K・08Mの5つ。

「関口さんは、アプローチでもハンドファーストが強めで、ロフトを少し立ててインパクトします。スタンダードなSグラインドよりも、地面に当たる面積が大きな、DとKグラインドが合うと見ました。バウンスの大きなモデルのほうが地面に刺さりにくく、抜けも良くなるからです。ソール幅が広いKグラインドなら安心してバウンスを地面に当てていけるようになり、アプローチがどんどん上達していくはずです」(井上氏)
ソール幅とバウンス効果を感じるために、あえてバウンスが小さくてソール幅も狭いMグラインドを試してみると、やはり刺さり気味。「同じ感覚で打っても、地面への刺さり方がまったく違う。バウンス効果がはっきりわかり、アプローチの打ち方が分かってきた気がします。私はバウンスを地面に当てやすく、ソールが滑ってくれる12Kが気に入りました」と関口さん。

バンカーショット後のクラブを見ると、リーディングエッジ(歯)から入れていくタイプなことが分かる。バウンスの大きなグラインドの方が地面に刺さりにくく、関口さんに合う
SM11 座学②
同じロフトなら、すべてのグラインドで重心位置を統一
SM11は、同じロフトであれば、すべてのグラインドで重心位置(CG)が同じ位置になるように設計されている。さまざまなグラインドを試しても、打ち出し角と飛距離に一貫性があることで、飛び方を気にせずにグラインド選びを進めることができる

雨上がりのウェットなコンディションでも「いつもよりスピンが入ってくれる」と関口さん
SM11 座学③
最適なスピン量を生むスコアライン
SM11は、フェース面に角度を持たせたフェーステクスチャー、ショットタイプごとに最適化された溝形状、より深く刻んだスピンミルドグルーブを取り入れている。手で触るとザラザラしたフェース面の仕上がりが確認できる。あらゆるライ、あらゆる状況から、最適なスピン量を生み出すテクノロジーだ

ザラッとした表面がスピン性能を高める
関口さんの新ウェッジは、44度、50度、54度、58度の組み合わせで、ライ角はいずれも1度アップライト仕様に決定。フルで100ヤード、加減して90ヤードの54度は、スティープに入ってもバウンスが利くDグラインド、グリーン周りで使う58度は、ソール幅が広くバウンスの大きな12Kのグラインドに決定。

フィッティングが終わると、このように推奨スペックのメモが手渡される
