世界最高峰のレジェンドたちが集結するシニアメジャー「全米プロシニア選手権」。第2ラウンドを終え、首位には通算10アンダーでオーストラリアのスコット・ヘンドとアメリカのブライアン・ゲイが並んだ。また、日本から唯一出場している宮本勝昌は、2日間通算2オーバーの63位タイとし、カットラインぎりぎりで予選を通過している。そんなトッププロたちがしのぎを削る華やかな舞台で、日々アマチュアゴルファーの指導に汗を流す「ティーチングプロ」が首位と4打差の通算6アンダー・6位タイにつけ、リーダーボードの上位を賑わせている。その男の名は、ジャスティン・ヒックス。ラウンド後の取材で彼が語った内容とは?

クラブプロとしての忙しい日常

ヒックスは普段、フロリダ州ボカラトンにあるストーンブリッジ・カントリークラブでPGAプロフェッショナルとして働いている。彼がこのメジャー大会に出場できたのは、全米のクラブプロ上位35名で構成される「コアブリッジ・フィナンシャル・チーム」の狭き門を突破したからだ。

「普段のこの時間(午後4時)なら、毎週決まったジュニアの生徒に2時間のレッスンが入っているし、いろいろな仕事がある」と彼は語る。ゴルフ場の業務やレッスンという多忙な日常の合間を縫って自らの腕を磨き、この大舞台への切符を勝ち取ったのである。

教え子たちへの「生きた教材」

画像: 会見場で質問に応えるジャスティン・ヒックス(PHOTO/Getty Images)

会見場で質問に応えるジャスティン・ヒックス(PHOTO/Getty Images)

第2ラウンド、ヒックスは起伏が激しく罠の多い難コースに挑み、この日「3アンダー」という見事なスコアをマークした。そんな彼が、ラウンド後に自身が教えるアマチュアの生徒たちに向けて語った「期待値の管理」というアドバイスが非常に奥深い。

「練習場で球を打っていて、『狙ったところにボールがいかない』と熱くなる生徒がよくいるんだ。そんな時、私はこう言う。『世界最高の選手たちでさえ、自分が見ている(狙っている)ところに100%打てるわけではない。だから、私たちは期待値を変えなければならないんだよ』とね」

現場で日々アマチュアの悩みに寄り添い、指導しているティーチングプロだからこそ、その言葉には本質を突いた強い説得力がある。完璧を求めすぎて自滅するのではなく、ミスを受け入れるメンタリティの重要性を、彼自身がメジャーの舞台でスコアを作ることで見事に証明している。

「夢の1週間」を楽しむメンタリティ

メジャー大会という極限のプレッシャーがかかる場において、ヒックスのメンタリティは異色とも言えるほどリラックスしている。「この大会は、私にとって仕事から離れた素晴らしい1週間の休暇のようなもの。だから、ただゴルフを楽しもうとしているんだ(笑)」と彼は笑顔を見せる。

結果や予選通過に一喜一憂するのではなく、一打一打のプレーや、プロフェッショナルとしての挑戦を純粋に楽しむ前向きな姿勢。それこそが、強豪ひしめくメジャーの難セッティングで好スコアを叩き出している最大の秘訣なのだろう。彼のプレーは、スコアに追われて苦しむすべてのアマチュアゴルファーにとって、最高の「生きた教材」となっている。


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