「他人事みたい」無欲が生んだJLPGAタイ記録

本人はあまり意識していなかったようだが、連続バーディの史上最多記録に並んだ
曇り空、気温15.3度という若干肌寒い天候の中、岡山絵里の快進撃は2番ホールから始まった。2番で3メートルのバーディパットを沈めると、そこからまるで魔法にかかったかのようにカップにボールが吸い込まれ続けた。 9番まで一度も止まることなく積み上げたバーディは、実に8連続。これは、以下の3名に並ぶツアー史上最多記録である。
・諸見里しのぶ(2011年スタンレーレディス・3R)
・成田美寿々(2019年富士通レディース・2R)
・小祝さくら(2021年楽天スーパーレディース・2R)
ハーフ28という異次元のスコアで折り返した岡山だが、自身の記録については「全然知らない」とあまり関心が無い様子。ホールアウト後の会見では、「パターが全部入ったので、すげえって感じ。スコアを見て、8連続か……という感じ。すごいなって、他人事でしたね」と、どこか浮世離れした言葉で喜びを語った。
1カ月間のクラブ調整が結実「ラインが見えていた」

18番ではバーディパットを外すも、確かな手ごたえを感じていた岡山
好スコアの要因は、ここ1カ月取り組んできたギアの微調整にあるという。
「色々なクラブを試して調整してきた結果、ここ1カ月くらいで今のものに落ち着いてきた感じ」と明かすように、道具への信頼が自信へと繋がった。
記録を達成した前半戦については、「ラインは見えて、そこに全部打てた。ミスヒットもそんなになくいけました」と、パッティングに関しては不満はない様子。後半は12番のバーディ1つに留まったものの、ボギーを打たずに耐えきった。15番パー5ではピンにボールが当たる惜しい場面もあったが、「決めきれなかったですね」と苦笑い。それでも、難所の浜野GCでノーボギーの「63」という完璧な数字を並べてみせた。
「ゼロからスタート」ビッグスコアの翌日に潜む罠

18番は、ツアーでは珍しいパー3
単独首位で初日を終えた岡山だが、慢心の気配は一切ない。むしろ、ビッグスコアの翌日特有の不安を正直に口にした。
「(ビッグスコアの翌日は)不安になりますね。パターが明日から入らないんじゃないかと思っているので、期待せずにやろうかな」
会場の浜野ゴルフクラブは平坦なレイアウトながら、グリーンの傾斜が強く、一歩間違えれば簡単に3パットを招く罠が潜んでいる。
「傾斜が強いので油断できない。明日のことは忘れて、ゼロからスタートします」と自分を戒めるように語った岡山の言葉からは、ベテランらしい落ち着きと、2度目の頂点を狙う執念が感じられた。 今季のJLPGAツアー唯一となる「最終18番がパー3」という特殊なセッティングにおいて、このロケットスタートがどのような結末を導くのか。明日からの予選後半戦、そして決勝ラウンドの戦いから目が離せない。



