スウィングの形ではなく「ゴルフをする」ことに集中
彼女の好調を支えているのは、先日行われた全米女子オープンの予選会で掴んだ新たなメンタリティだ。強風の中で行われた予選会を見事に突破し、大舞台への切符を手にした彼女。実はその会場は、UCLA出身の彼女にとって「すぐ近所」とも言えるリビエラCCだった。急遽決まったエントリーで早々に大舞台の出場権を勝ち取った心の余裕が、そこでの経験を現在のプレーに色濃く反映させている。

ブリアナ・ドー。UCLAで活躍し、2011年全米女子アマパブリックリンクスで優勝。2015年に下部ツアー賞金ランク3位の資格でLPGAツアーへ昇格。2025年「リビエラマヤオープン」で自己最高の9位タイに入った(写真/Getty Images)
「(全米女子)オープン予選会で学んだことなの。風が吹いていようがいまいが、あの時のメンタリティをもっと自分のゲームに取り入れる必要があると思っている。今朝はそこまで風が強くなかったけれど、『スウィングのこのポジションにいなきゃいけない』と考えるのではなく、『自分が打ちたいショットをイメージして、そのショットを感じる』という考え方を維持していたわ」
スウィングの細かな形にとらわれることなく、ただ目の前の状況に向き合い、「ゴルフをする(球を打つ)」ことに集中する。この研ぎ澄まされた感覚が、ティーショットの正確性が求められるエル・カマレオンGCのコースセッティングと見事にマッチしている。昨年の同大会でも9位タイと好成績を残しており、「去年ここで良いプレーができたことは今年の助けになっているし、ティーショットが少しシビアなコースだからこそ、常に集中力を保ち、自分のゲームのベストを引き出そうとしている」と自信をのぞかせる。
優勝争いの重圧も「ただ受け入れるだけ」
週末は、絶対女王コルダとの直接対決、そして自身初のツアー優勝を懸けた未知の領域への挑戦となる。しかし、ドーに気負う様子や過度な興奮は見られない。優勝争いのプレッシャーについて問われると、長年ツアーを戦ってきたベテランらしい、悟りを開いたかのような答えが返ってきた。
「去年もここで同じようなポジションにいたから、今年のほうが少しは準備ができていると思う。でも、優勝争いをして首位にいる状態が『居心地が良い』なんてことは絶対にないわ。だから、それを受け入れて、自分のプレースタイルを貫き、湧き上がる感情を感じながら、何が起きるか見てみるつもり。ただ、起きることを受け入れるだけよ」
己の現在地を冷静に見つめ、無欲の境地で週末の戦いに挑むブリアナ・ドー。盤石の強さを誇る女王コルダの前に立ちはだかる最大の壁となるか、その自然体なプレーから目が離せない。
上位のリーダーボードは、通算9アンダーの首位タイにドーとコルダ。通算8アンダーの単独3位に、この日スコアを伸ばしたルーキーのメラニー・グリーンが続いている。また、日本の勝みなみが第2ラウンドを「68」で回り、通算7アンダーの単独4位という好位置で決勝ラウンドへと駒を進めている。
