テーラーメイドの7W、その使用者が急増中
現代のゴルフ界において、クラブセッティングの常識が塗り替えられようとしている。かつてはパワーの衰えたシニアや女性ゴルファーが使うものという先入観が強かった「ショートウッド」が、今や世界最高峰の舞台で戦う男子プロたちの武器として欠かせない存在となっているのだ。その象徴とも言えるのが、世界ランキング1位に君臨するスコッティ・シェフラーがバッグに入れているテーラーメイド「Qi4D」の7番ウッドである。シェフラーがこのクラブを自在に操り、圧倒的な強さを見せつけている姿は、ゴルフファンのみならず同業者であるプロたちの意識をも変え、ツアー全体に大きな変革を起こしている。

シェフラーが使う「Qi4D」の7W。このクラブで繰り出す高弾道のショットをシェフラーは「ハイワン」と呼ぶ
テーラーメイドのフェアウェイウッドは、以前から契約プロ以外の選手も自ら選んでバッグに入れるほど、その性能に厚い信頼が寄せられてきた。その傾向は近年さらに加速しており、先週開催されたPGAツアーの「トゥルーイスト選手権」では、実に出場選手のうち71名が同社のフェアウェイウッドを選択していた。この勢いは国内男子ツアーでも同様で、日本ツアーの「前澤杯」では40名もの選手が同社のモデルを手に取ったという。
特筆すべきは、その内訳において7番ウッドの占める割合が急増している点である。シェフラーのような卓越したテクニックを持つ選手はもちろん、国内ツアー屈指のパワーヒッターとして知られる岩﨑亜久竜のような選手までもが、こぞって「Qi4D」の7番ウッドを実戦投入している。この事実は、ショートウッドがもはや飛距離を補うための代用品という枠を超え、現代のプロにとって戦略的な必然性を持つ道具になったことを物語っている。国内外を問わず、男子プロのバッグに7番ウッドが入っている光景は、何ら珍しいものではなくなったのである。

男子ツアー屈指の飛ばし屋・岩﨑亜久竜も「Qi4D」の7Wを駆使し、コースを攻略する(撮影/有原裕晶)
長くなったコースへの対応が楽になる
では、なぜこれほどまでに国内外の男子ツアーで、一気に7番ウッドの人気が高まっているのだろうか。その背景を探るべく、今年、マスターズでトップ選手たちのプレーを間近で観察した横田英治プロに話を聞いた。横田プロは、現代のゴルフコースの変遷と、それに伴う選手の要求の変化を分析している。

横田英治。2025年ゴルフダイジェスト レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。今年のマスターズでは特派記者として世界の潮流をつぶさに観察した
「なぜ今、7番ウッドを入れる選手が増えているのか。プレー面における大きな要因は、コースの総距離が年々伸びていることにあります。その結果、200ヤードを超える距離からでも、硬く締まったグリーンに対してピンポイントでボールを止めなければならないシチュエーションが激増しました。以前であれば、その距離は3番アイアンや4番アイアンといったロングアイアンで何とかカバーするのが一般的でした。ロングアイアンで弾道をコントロールし、ピンポイントで止める。それはトッププロとはいえ、非常に難易度が高く、高度なスキルが要求される作業です。それが7番ウッドであれば、非常に高弾道で、しかも楽に打ててしまう。プロであっても、より確実性の高い、やさしいものを使いたいと考えるのは当然の流れと言えます。これは一般的にもよく語られる理由であり、間違いのない事実です」
男子プロが使える7Wへと急激に進化した
横田プロはそのように語るが、一方で、単にコースが難しくなったからという理由だけではない、もう一つの重要な側面を指摘する。それは用具としての「質の変化」である。

男子ツアーで引く手あまたの「Qi4D」7W(撮影/三木崇徳)
「でもそれ以前に、大前提として押さえておくべき事実があります。それは、『プロが使える7番ウッドが登場した』ということです。以前の7番ウッドや9番ウッドといったショートウッドは、あくまでヘッドスピードが30m/s台の方や、技術的に未熟なアベレージゴルファーが使うものとしてしか存在してこなかった。なので確かに球は上がりやすいのですが、プロが打つとスピン量が過剰に増えすぎてしまったり、あるいはフェースが極端に左を向いていたりと、男子プロが使えるようなものではありませんでした。当時の選手たちにとって、そもそも7番ウッドを使うという発想そのものが存在しなかったのです」
しかし、ここ数年で、ショートウッドを巡る環境は劇的に変化した。その進化を象徴する代表格が、シェフラーが使い、国内男子ツアーでも使用者が急増している「Qi4D」だと横田プロは言う。

フェース面がスクエアで、プロが違和感なく構えやすくなった点も使用者が増えている理由(撮影/三木崇徳)
「ここ数年で、ショートウッドは劇的に進化しました。その代表格が『Qi4D』でしょう。まず、構えた時の顔が非常に優れていて、フェース面がきれいなスクエアに設計されている。実際に打ってみれば、確かにショートウッドとしての高い打ち出し角が得られますが、スピン量は適正に抑えられている。ただ高く上がるだけでなく、風に負けずに前に進む推進力もしっかりと兼ね備えているのです。当然、7番ウッドとしてのミスヒットに対する強さもあります。高さで止めるという、現代のボール特性にも非常にフィットしたクラブだと言えます」
ストレートからドローの弾道イメージとマッチする
プロが求める操作性と、ショートウッド本来の寛容性が高い次元で融合した結果、7番ウッドは「弱点を補うクラブ」から「積極的に攻めるための武器」へと昇華したのだ。横田プロは最後に、このクラブが多くの人にマッチすることにも触れた。
「ロフトと重心設計の特性上、7Wはつかまりやすいクラブでなので、普通に打てばストレートからドロー系のボールが出やすいでしょう。そういったイメージで組み立てるゴルファーに合いやすいのはもちろん、アマチュアゴルファーはスライサーが多いことを鑑みれば、右サイドを恐れずに果敢に攻められるクラブとも言えます」
このように、現代の男子ツアーで主流となりつつある7番ウッドの活用は、単なるプロの流行ではなく、道具の劇的な進化に裏打ちされた合理的な選択の結果。これまで「ショートウッドは年齢的にまだ早い」といった誤解や、あるいは「やさしいクラブに逃げている」といった抵抗感を持っていたゴルファーにとっても、この進化はゴルフの質を変える大きなチャンスとなるだろう。トッププロたちがこれだけの恩恵を受けているという事実は、このモデルが特定の層に向けたものではないことを示している。最新のテクノロジーが凝縮されたこの一本は、アマチュアにも絶対に役に立つクラブである。
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